リカバリーフォーラム2018用語集と関連本


リカバリー全国フォーラム内で出てくる用語などを、ABC順、あいうえお順にまとめてみました。また、関連するコンボの本なども紹介しました。参考になれば幸いです。
※フォーラムの分科会プログラムは→こちら      ※フォーラムのメインページは→こちら

用語の 解説と関連本

〔分科会などの形式について〕

シンポジウム: 出演者からの体験談、話題提供、事例紹介などの発表・講演が中心です。話を聞く形になりますが、質疑応答などの時間も設けるようにしています。

ワークショップ: 体験型講座のこと。参加者が参加・体験し、 グループで何かを学びあったり創り出したりする、双方向的な方法です。小グループに分かれて行うディスカッションやワークなどが中心です。

トークライブ:あるテーマについてのおしゃべりや対談などを聴く催し。
リカバリーフォーラムのトークライブでは、会場にいる参加者が発表できます。

 

〔英語のアルファベット順〕

ACT (アクト)
Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム(→くわしくはコチラ
医師、看護師、精神保健福祉士などのいろいろな職業のチームで重症精神障害者をケアマネジメントすることで地域生活を支える手法。
関連本
→「こころの元気+」2010年7月号   →「ACTのい・ろ・は」   →「ACTの立ち上げと成長」

IMR (アイエムアール)
Illness Management and Recovery:  疾病管理とリカバリー。
精神疾患をもつ人が、自分に適した方法で自らの精神疾患を自己管理し、リカバリーゴールを目指すために必要な情報や技術を手に入れることを目指すパッケージ化された心理社会的介入プログラム。
関連本
→「IMR入門」    →「IMRの実践」

 

IPS (アイピーエス)
Individual Placement and Support :個別就労支援プログラム。
アメリカで開発された就労支援モデル。
従来の職業リハビリテーションと違い、職業に就く準備ができている・できていないなどの判断をしません。診断名・重篤度・入院歴等と就労達成率には関連がないという科学的根拠から、本人の好みや長所に注目した求職活動と同伴的な支援を継続します。
関連本
→「こころの元気+」2016年8月号    →「こころの元気+」2015年11月号

→「IPS入門」    →「就労支援マニュアル」    →「私のリカバリーストーリー」


LGBT  (エルジビーティー)
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの4つの言葉の頭文字をあわせた言葉で、レズビアンは女性として女性を好きになる人、ゲイは男性として男性を好きになる人、バイセクシュアルは男性も女性も好きになる人、トランスジェンダーは生まれたときのからだの性をもとに割り当てられた性とこころの性が異なる人をいいます。セクシュアルマイノリティ(性的少数者)をさす言葉として使用されることもあります。
関連本
→「こころの元気+」2017年6月号

SDM (エスディーエム)共同意思決定
Shared Decision Making:シェアードディシジョンメーキング
当事者(病気をもつ本人)と精神科医(専門家)が共同で意思を決定していくということ。
医師が一方的に治療方針を決めるのではなく、薬の選択肢やそれぞれの長所と短所を当事者と共有し、相談して治療をすすめるという考え方。
関連本
→「こころの元気+」2017年5月号   →「こころの元気+」2018年6月号

SHARE (シェア)
治療を受ける本人と主治医が共同で治療方針や薬などについて相談し、治療していくこと(共同意思決定)を支援するために開発されたコンピューターシステム。その愛称Support for Hope And Recovery(希望とリカバリーの支援)の略。

SST (エスエスティー)
Social Skills Training: 社会生活技能訓練。
社会生活を送るうえで相手に理解をしてもらえるように伝え方や行動を練習すること。

WRAP (ラップ)
Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン。
当事者が、自分がいつ・どんな状況で気分が落ちこむのか、どうやってよい感じを保つのか等を書き出し、対処法を決めておく。そんな自分でつくる生活管理プランです。
関連本
→元気回復行動プラン「WRAP(ラップ)」

 

〔あいうえお順〕

アウトリーチ
ユーザーの自宅等に出向いて支援を行う、いわゆる「訪問による支援」を意味します。
関連本
→「訪問による生活訓練事業の進め方」

アンチスティグマ 
スティグマは「差別」や「偏見」という意味で使われることが多く、もとは犯罪者や奴隷の烙印とされたタトゥを意味し、社会から受容を拒否された人々のことを総称していました。
アンチスティグマは「アンチ」がつくので、その反対や対極を表しています。
関連本
「精神障害をもつ人のアンチスティグマとリカバリー」 本の数が少なくなっているため、コンボまで直接お電話を(047-320-3870)
※「こころの元気+」の2018年9月号(139号)で偏見の特集を組む予定です。

オープンダイアローグ
Open Dialogueは、「開かれた対話」という意味です。これは、フィンランドのケロプダス病院で1980年代半ばから90年代前半にかけて開発された精神科治療システムの名称です。
この治療システムの特徴は、あらゆる精神科的治療ニーズのある人、特に幻覚妄想や混乱が激しい急性期状態にある人に、迅速に「治療ミーティング」が提案され実施されることです。
▽過去の「こころの元気+」の記事
2016年3月号の「ちょっと知りたい」、2015年1月号と3月号の「ワールドリンク」のコーナー

家族による家族学習会(→くわしくはコチラ
精神疾患を患った人の家族を「参加者」として迎え、同じ立場の家族が「担当者」としてチームで運営・実施する、小グループで行われる体系的なピアサポート・プログラムです。
〔関連本〕
→「家族による家族学習会ガイド」

ピア(ピアスタッフやピアサポート)
心に困難をかかえ、精神疾患をもつ人(当事者)を仲間同士で「ピア」と呼んでいます。
ピアサポートやピアスタッフのピアも同じ意味です。ピアサポートはピア同士による対等な関係の中で生まれる支え合いで、ピアサポートを実践する人が、ピアスタッフやピアサポーターなどと呼ばれています。
〔関連本〕
→「こころの元気+」2018年7月号
→「こころの元気+」2014年9月号

未来語りのダイアローグ(未来から語るダイアローグ)Anticipation Dialogue;AD
異なる立場の関係者の間に葛藤が生じて行き詰まった状況を解決に導く、フィンランド生まれの手法です。
未来語りのダイアローグでは、不安をやわらげて心配事を解決するために、対話をしながらよりよい未来を思い浮かべ、そのための行動プランを作っていきます。
▽過去の「こころの元気+」の記事
2017年11月の「ちょっと知りたい」

メリデン (メリデン版訪問家族支援・英国メリデン版家族支援)
英国のメリデン地方で開発・実践されている家族支援の方法。各家族を訪問し、本人も含めた家族全体を支援していきます。

リカバリー 
英語としての意味は「回復」ですが、単なる回復だけではなく、病気などによって失われた自分の可能性を広げていくプロセスのことで、それには限りがなく、人によって異なるもので、多様なものとされています。
〔関連本〕
→「こころの元気+」2018年8月号