コンボイス:リレー連載『リジツレ』第1回


◆リレー連載『リジツレ』◆
コンボ理事のみなさまはそれぞれの分野において第一線で活躍している方々です。
「リジツレ~理事の徒然~」は、そのようなみなさまの人となりが垣間見えるような、アットホームな雰囲気のエッセイをリレー連載するシリーズです。

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第1回『みようみまねで観葉植物を育てています。』
渡邉博幸さん(学而会木村病院院長)
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(育て中の草木)

患者さんたちには、「植物を育てたりすると、気持ちが優しくなって心の励みになりますよ」、などと知ったふうに言っているのですが、自分を省みるとずぼらの極みで、せっかくいただいた3鉢の『お金のなる木』に、水と間違えてコロナ対策用の消毒液をスプレーで吹きかけ続けてしまい、みんな枯らしてしまいました。
知人からは、「お金のなる木って、手間なしで放っておいても増えるのに、どんだけ、金儲けが下手なんだよ」と呆れられています。

病院の植栽や院内の花木を、人知れずきれいに手入れしてくださっていた、ベテランの職員は、みなさん定年で退職され、寂しい感じになったところでした。そのうえ、新型コロナで、職員や患者さんや近所の子供達が集まる楽しいイベントができなくなってしまったので、少しでも眺めて清々しく優しい気持ちになれたらと、院内の観葉植物を育てて増やせたら素敵だなあと思いました。

とはいうものの、私自身は、まったく鉢植えの世話の仕方や増やし方を経験したことがなく、ズブの素人なので、どうしたものかと思案しておりました。幸い、院内清掃のお仕事をしてくださるご年配の方が、その方面にとても詳しく、決められた業務以外なのに、院内のグリーンの世話を焼いてくださり、お家から花を摘んできてあちこちの花瓶にいけてくださるので、彼女に弟子入りして、手入れの仕方をちょこちょこ教わっています。

季節によっては水や肥料をあげすぎてはいけないとか、日の当て方とか、植物の種類によっても色々違いがあると知り、繊細な配慮が必要なものなのだと本当に驚きました。人への心配りと同じなんですね。
「こうして、細やかな心配りと惜しみない手間を掛けて、院内の緑を美しく保っていらしたのだなあ」と、あらためて尊敬と感謝の気持が湧いてきました。

今は、まだ3月で鉢の引っ越し、株分けには適さない時期なので、じっと我慢して5月ごろを待っています。可愛らしいミニ植物を含めて、だいたいのものは100円ショップで賄うので、それも嬉しいです。最初は、仕事場にプチトマトとかブルーベリーとか食べられるものが生えていたら面白いなあと思っていましたが、年中枯れないで楽しめるものが、日々の職場の心の調律には良いのかもしれませんね。(果実や野菜だと誰が食べた食べられなかったでミニトラブルの種になりそうですし。。。)

(2022/3/3配信)

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