躁状態をコントロールできるか?(Q&A)


『こころの元気+』 2010年7月号(41号)「おこまりですか? では他の人に聞いてみましょう!」より
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躁状態は、コントロールできますか?

私は、32歳の男性です。躁うつ病(双極性障害・双極症)です。

私は、躁状態になると、うれしくなって、買い物が増えるのですが、それだけではなく、女性の店員さんに「つきあってくれませんか」、と声をかけたりするのです。
最初は相手も困った表情ですが、そのうち、他の店員さんにお店から追い出されてしまいます。

その他にも、私のことを思っていろいろと気をつかってくれる近所のおばさんとか、親戚の人や友人たちを攻撃するような電話をかけたりもします。
また、攻撃的な電話をした人には、あやまろうと思っても、あやまれないままになっています。

こうした躁状態になったときに「自分をコントロールできたら、どんなにいいだろう」と思うのです。
実をいえば、躁のときは、私にとって快感です。
でも、後から自己嫌悪に陥ります。
自分では、コントロールできないジェットコースターに乗ってるようです。

皆さんは、躁状態になったことをどうやって気がつくようにしているのでしょうか。
それともジェットコースターと同じように、操縦不可能なものなのでしょうか。
どうかアドバイスをお願いいたします。


A 心の扉を開ける人をつくる
菅原俊光さん(愛媛県)

私は躁うつ病です。発症してからもう20年近くになります。
入院したときは、うつ状態でした。
しかし、病名は躁うつ病(双極性障害・双極症)でした。

いろいろ自分なりに本を買い、自分なりに躁状態になったときのコントロールサインについて学びました。
※コンボの双極性障害の本は→コチラ

躁状態になると、多弁になり、テンションが上がり、衝動買いをします。
また、メールや電話を長々とするようになります。

だから、最近は薬でおさえているせいもありますがハイテンションになることは少なくなりました。
しかし、実際は完治していないのでたまに躁状態になります。

躁状態のコントロールについてですが、まず深呼吸して、はたしてこれは絶対必要な物なのか考えて、財布には現金をたくさん入れないようにして、衝動買いをしない状態をつくります

また、可愛い女性が、突然そばに来たら、相手のその女性が話すのが好きな人かどうか観察して、会話のキャッチボールができそうな人なら、少し話します。
女性は、一般的におしゃべりな男性は、気持ちがひく可能性が高いのです。
芸能人でもないのに、いきなり知らない男性から声をかけられたら不信感を持つのは当然です。

躁状態のコントロールは、本人もそうですがまわりの家族や福祉関係のスタッフ、病院の医師から、「今の私の状態はどうですか?」って思い切って聞いてみるのです。
心の扉を開けられる人を、一人でもいいからつくっていると、ずいぶんと躁状態のコントロールができます。

 


A 病と向きあっていく
上原博史さん(大阪府)

 

私の結論ですが、躁状態を完全にコントロールすることは不可能だと思います。
ただし自分が今、躁状態であることを認識できれば、自分なりの対処の仕方もできるのではないでしょうか。

刺激の多いお店には行かない、電話も控えるようにする、などです。
買い物が増えると余計な出費がかさみますし、せっかく築いた人間関係も破壊してしまいます。
ある意味、うつ状態よりも恐ろしいものだと私は考えています。

質問者の方は、自分が躁状態になっていることにはちゃんと気づけているのだと思います。
躁状態になったときは、建設的なことにエネルギーを転化するように私はしています。
たとえば自室の掃除をする、読んでいなかった本を一気に読破するなどです。
要するに、社会的に破綻するようなことはしないで、躁のエネルギーを有効に活用すればよいのだと思います。

あとは、やっぱりお薬(気分安定薬)でしょうか。
個人的には、うつ状態のときには生きるのがしんどくなるので、躁状態のときに楽しい気分になるのは、そんなに悪いことではないと思います。
自分が今、躁状態であっても病識をもつこと。
そして自分なりの対処法を探したり試したりしながら見つけていく
そうやって病とつきあっていく、向き合っていく。
そういう苦しみとともに生きるしかないと思います。

 


A 周囲の応援が必要
伊藤知之さん(北海道)

 

私は統合失調症ですが、たまに「今は躁状態かな …」と思えるときがあります。
周囲から見てもわかるようで、私がいつも以上に自信を持って仕事や活動に参加していても、それが空回りしてあせっているときに周囲がそう思うようです。

こういったとき、まわりの人から「あせっているよ」「おちついて」と言われると、たいていは落ち着きます。
私自身の躁状態のコントロールは、周囲の応援があってできているものです。
日ごろの仕事や活動で、応援してくれたり、何でも話せたりする仲間やスタッフを多くつくっておくことで、私は躁状態のコントロールができています。

躁状態に限らず、いろいろな人とのコミュニケーションがうまくいくと、仕事や活動もうまくいき、人間関係もよりよいものになっていくと思います。
「自分の操縦の仕方」を身につけると、自分のコントロールもうまくいくような気がします。

 


『こころの元気+』 2010年7月号(41号)「おこまりですか? では他の人に聞いてみましょう!」より

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