新連載
みんなでひも解く
ピアサポートを文化に!(224号)
○「こころの元気+」2025年10月号より
○申込について ○申込はこちら
○224号へ戻る
第1回
新連載始まります!
筆者:相川章子(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
けんちゃん・ゆきんこ・藤原
▼ピアサポートを文化に!
3年前にコンボから出版された『ピアサポートを文化に!』は、15年ほど前に埼玉県上尾市「杜の家」の児玉さんに声をかけてもらい、関係者の皆様と一緒に始めた「ピアサポート講座」のテキストを書籍(下記)にしたものです。
受講者や多くの方の声を集めて作り上げ、現在はこの本を使って各地でピアサポート講座を開催しています。
▼私達の役割と自己紹介
『ピアサポートを文化に!』はたくさんのスライドと図で構成されています。
「これらのスライドをもとに、みんなでピアサポートをひも解いてみましょう」というのが、この連載の企画です。
「みんな」とは、読者の皆様と私達4人、「ピア文化を広める会」ファシリテーター役のけんちゃん・ゆきんこさん・藤原さん・私です。さらに各連載では、ゲストとして経験を語ってくださる方にも登場していただく予定です。
▼ファシリテーターの紹介
まずは自己紹介です。
○けんちゃん
私は精神科に通いながら、平日会社に勤めて事務仕事をしつつ、休日にピアサポートグループ「絆withピア」という団体でピアサポート活動をし、13年目になります。
グループ設立のきっかけは、2012年に新潟県上越市で行われた「精神障害のある方のピアサポート講座」に参加した有志の食事会でした。
食事会がスムーズに開催できたのは、この講座でピアサポート活動をするうえで大切なことを学び、実践した成果ではないかと思っています。
こんなささいな営みの積み重ねが、ピア文化を支えているのだろうなぁと思いつつ、今回、言葉にしてお伝えできたらと思っています。
○川村有紀(ゆきんこ)さん
10代の終わりに精神科にかかり、20代は長い入院や施設で人の世話になるばかりの暮らしをしていました。
私は、かねてから「居場所」を求め歩き、自分も安心していられる場所をつくりたいと思ってきました。
施設を出て1人暮らしを始めたとき、病気を恥じずに語り合える仲間と出会い、共感やはげましをもらいました。
それまで病院や施設が自分の居場所だと思っていましたが、この広い世界で生きていく楽しみを感じました。
今は「オープンスペースぽかぽか」という誰にでも開かれた場をやっています。
ピアサポートが自然に育っていくのを日々感じられる活動です。
「ピア文化」を一緒にひも解いていきましょう。
○藤原由紀さん
初めましての人、私を知ってる人、皆さんこんにちは!
10代で精神疾患発症、入退院をくり返した20代、「ふつうになりたい」という想いだけが空回りしていました。
リカバリーストーリーを初めて聞いた日から自分らしく生きることを知り、ピアサポートに触れました。7年前にピアスタッフとして雇用され、今は専門職として自立訓練施設で仕事しています。
それとは別に、自分の経験を活かして社会的養護にかかわる支援員をしています。
今回、ピア文化をひも解く連載に参加させてもらえるなんてドキドキです。
むずかしいことは置いといて、皆さんが身近に感じられるようにわかりやすく、一緒に考えていきましょう☆
○あ~さん(相川章子)さん
幼少期はしょっちゅう迷子になるぽーっとした子どもでした。3歳からピアノを習い、小中高大と水泳部。
中学生のときに転校し、荒れた学校になじめずいじめられ、食べなくなり精神科クリニックを受診。
巡り巡ってソーシャルワーカーとして働く中で、ピアスタッフと支援センターを立ち上げました。が、ピアスタッフが長続きせずに辞めてしまったこときっかけに、ピアスタッフについて研究を始めたのが今から20年以上前です。
ピアサポートが文化になる日を信じて、楽しみながら活動しています。
▼世界ピアサポートデー
この連載を10月号から開始したのは理由があります。
10月の第3木曜日は世界ピアサポートデーで、今年2025年は10月16日㈭です。
ぜひ身近なピアサポートを感じ、日頃の感謝の気持ちをピア(仲間)に伝えましょう。
「今日は世界ピアサポートデー!“ピアサポート”って何だか知ってる? 私とあなたのことなんだ。いつもどうもありがとう」と連絡するのはいかがですか。
みんなでピアサポートの輪を広げて、文化にしていきましょう。