逃げてばかりの私(172号)


連載:おこまりですか? では他の人に聞いてみましょう!
第172号 
逃げてばかりの私  こころの元気+2021年6月号より
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▼質問 

私は22歳女性です。
うつ病で通院していています。

実は私は、幼い頃から嫌なことがあると逃げてばかりいました
小学生の頃から現在まで、友達と少しでも関係が悪くなると話さなくなったり、縁を切ってしまいます。
高校では勉強が嫌で休んでばかりいて、ぎりぎりで何とか卒業しました。
高校を卒業して地元の工場に就職できましたが、上司にちょっと注意されたことがつらくなり、結局すぐに退職してしまいました。
退職してしばらくしてから、うつ病になりました。

うつ病になった後も何もすることがないので、公民館でやっているフラワーアレンジメントのサークルに入りましたが、その参加者の1人が苦手でやめてしまいました。

私は何か失敗したり、嫌なことがあったりすると、苦しくなったり不安になったりして、そこから逃げてしまいます。
退職後は家にいるため親との関係も悪くて、このままだと家からも逃げ出して行き場もなくなってしまうのではないかと怖くなってしまいます。
そんな行動パターンを少しでも変えることはできないものでしょうか

 


皆からの回答


好きなことを探す
回答者:まゆかんさん(茨城県)

 

統合失調症40代女性です。
私も嫌な気持ちに耐えられず環境をリセットする逃げ方をしていました。
エネルギーもいるし、失うものも大きいやり方だったと今は思います。
最終的には、そんな自分自身から逃げたくなって苦しみました。
もしかしたら質問者さんは「自分からは逃げられない」ことをどこかでわかっていて、この質問をしたのではないでしょうか。

経験からいえるのは「時間がかかる」ということです。
病気がよくないときほど、何ごとも白黒はっきりさせたくなって、グレーのままにできないものだと思います。
でも、80歳になってもそんな逃げ方をしているお婆ちゃんはいませんよね。
みんなどこかで自分と折り合うことを覚えます。

私の経験からおすすめするのは、
「逃げちゃダメ!」と自分に突きつけることより、「こっちに行きたい!」と感じることを身近に探すことです。
そう思えるものにまだ出会っていないとしたら、それこそ大きな損失です。
逃げることは必要なときもあり、悪いことではありません。
今どうしても必要なら逃げ続けてもいいのです。
ただその一方で、ご自分の好きなこと、やりたいことを探す隙間は作っておいてほしいと思います。


離れる、休む
回答者:やよいすみれさん(東京都)

 

統合失調症の女性です。
相談者さんは、どの場合でも、自分が嫌だと感じたら、すぐに縁を切ったり退職したりと自分で決定することができ、反応も早いと思います。
これは悩んだり不利な状況から抜け出せないことに比べればポジティブです。
また、勉強が嫌でも何とか高校も卒業し、仕事を辞めても次にサークルに入るなど、次の場所をひとりで見つけています。

私の場合は我慢して、病気になったり病気寸前になったりしていましたが、最近では、ある関係をやめる前に少し離れることにしています。
今私にはむずかしい人間関係があるのですが、突然縁を切るというのも角が立つかもしれないので、徐々に離れ、別れる理由も、自分の感情ではなく、多忙であるとか他にやることがあるというようなことにするつもりです。

なお仕事やサークルから逃げたいときは、辞める前にしばらく休みをとることをおすすめします。
休んで身も心も癒されれば、また戻りたくなるかもしれませんし、別の居場所を見つけるかもしれません。
家から逃げたくなることを心配しているようですが、アパート暮らしを始めれば経済的に仕事も必要になり、新しい世界に羽ばたけるチャンスかもしれません。
がんばってください。


散歩・文章化・4行日記
回答者:ポニーさん(新潟県)

 

嫌なことがあるとき、対処法がわかっていたら安心できます。
不安は、そのままでは解決されず行動することで少なくなります。
対処法を知り、それを実践することで不安を受け流せるようになります。

不安でいっぱいのとき部屋に閉じこもっていないですか?
そんなとき、外へ出て散歩したら気分転換になります。
歩きながら季節の移り変わりを感じ、空気が頬にふれ、車や町の躍動を感じながら何かが変化していきます。

また、悩みを紙にくわしく書いてみてください。
文章化するコツは人に相談するイメージです。
悩みを書き出し文章化すると、悩みを客観視できます。
それを読むと自分の心理や状況を冷静に見られるようになり、自己洞察が深まります。
気持ちの持ち方として、自己否定をやめて自己肯定するために必要なのが自己受容です。
ありのまま、あるがままのあなたを受け入れてください。
逃げてばかり、それでもいいじゃないですか?
生きているだけで百点満点です。

自分を肯定するために4行日記をおすすめします。
1行ネガティブな日記を書いたら、3行ポジティブな日記を書いてみてください。
これは、効果が高いとされているワークです。

散歩・文章化・4行日記をおすすめしましたが、この他にもいろいろ試してみてください。


私も…
回答者:まゆげいぬさん(群馬県)

 

若さ故に続かないのかもしれません。
若いと自分にはいろんな可能性があると考えがちです。

私も、若いときは何ごとも続かなかったです。
仕事は1年続けばよいほうで、習いごとやボランティアもすぐ辞めて、若いときは、
「人には向き不向きがあるんだ。どうせ辞めるなら早いほうがいい」
理論ですぐ辞めてました。
「そうじゃないんだ」と気づいたのは、作業所に通い出してからです。
35歳くらいでしょうか。
毎日通うこと、続けること、気に食わない人も多いですよ。
でも、「その人のために辞めてたら何もできない」と思い、通いました。
自分を変えたかったからでしょうか。

続けることですね、そのうち続けることが目的ではなくなります。
人の気持ちなんてわからないから、自分の思うようなこと、好きなことを見つけて、ただ続けること。
続けることを意識せず、生活の一部ルーティンだと思ってみたらどうでしょうか?
気づいたら長くやってるくらいになればラッキーだと思います。
「続けるのも才能のうち」と将棋の羽生善治さんも言ってます。
続けるだけで才能なら、やれそうですよね?

他人は他人のことをそれほど期待してないし、誰もそんなに人のことを見てないですよ。
よほど変なことしない限り。
他人のことをどうでもいいくらいの気持ちになれたら、気づいたら続けられているようになりますよ。

私は歳のせいか、あきらめの境地みたいなのに達していて、お金のための仕事・好きなことのための趣味。
そう思えると人生、楽ですよ。
自分自身の人生です。
気持ちの持ちようで人生って楽にもなります。
ものごとは単純、複雑にしてるのは自分自身の心。
悩んだときは考えないで寝てください。
もしくは動く、YouTubeの筋トレダンスがおすすめです。
1人でも、楽しんでやれることもあります。


嫌なことはスルーする技を
回答者: のら猫さん(長野県)

 

22年間じょうずに「苦しくなったり不安になったりしそうなこと」から逃げられたのですね。
自分は逃げるのに失敗しては何度もエラい目に遭いましたので、うらやましいです。
行動パターンを変えたい気持ちもわかります。
でも、卒業して、工場で働いて、サークル活動もできて…まわりと生き方が多少違っても、いろんな経験をされているじゃないですか!

親との関係もよくある話です。
そういう自分は、医師の指導で実家から逃げて、今はひとりで暮らしています。
行き場がなくなることはないです。
何とかなるから安心しましょう。
親子でもそんなものです。
学校や社会にいる人達なんて赤の他人ですから、逃げたくなってあたりまえです。

もし、今、何か変えたいのでしたら「嫌なことはスルーする」技を覚えてはどうでしょうか。
SNSで流行った「現場猫」ってごぞんじですか?
何かやらかしているのに「何だか知らんがとにかくヨシ!」ってボケる猫のイラストです。
工事現場ではいけませんけど、日常生活で何か言われたら、あれでいいじゃないですか。
最近、自分はあの感覚でいっちゃうことにしました。

 

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