死にたい夫を食い止めたい(178号)


連載:おこまりですか? では他の人に聞いてみましょう!
第178回 
死にたい夫を食い止めたい こころの元気+2021年12月号より
「こころの元気+」の申込について    申込はこちら

○ネット特集へ戻る
○おこまりですか?へ戻る

▼妻からの質問 

夫の会社は昨年の秋にあっけなくコロナ倒産してしまいました。
夫は40代後半でコロナ禍の影響もあり、再就職もなかなかできません。
そのための不安と落ちこみがはげしく、今年の春にはうつ病と診断されました

ちなみに子どもはいません。
2人暮らしで、貯金と失業保険でやりくりをしています。

通院はしていますが無職であることがとてもつらいらしく、
「お前に申し訳ない」
「自分がいなければいい」
「死にたい」
と言うようになってしまいました。

主治医からは、
「『死にたい』という気持ちを希死念慮(きしねんりょ)といってうつ病の症状です」
「病気が改善するまで、できるだけ目を離さないように」
などと言われていますが、買い物にも行かないといけないし、24時間見張っているわけにはいきません。

「死にたい」と思っている人には、どのように接したらよいのか
どのように食い止めたらよいのかわからず、
私もへとへとです。

保健所はコロナの影響で電話がつながらないし、主治医以外に相談ができるところがあるのかもわかりません。
(質問の時点の状況です)
どうしたらよいのでしょうか?


皆からの回答


戻ってきます
(神奈川県)回答者 クリオネさん

50代の主婦で、うつ病当事者です。
質問者様も、ご主人様も安心してください。
なぜなら、うつ病は治る病気だからです。
そのことを忘れずにいてほしいです。

私も数年前まではずい分ひどい状況で、もちろん希死念慮もありました。
でも、ご主人の担当医が言われるとおり、
「希死念慮はうつ病の症状のひとつ」
にすぎません。
なので、うつ病が改善してきたら、希死念慮も消えていきます。
以前のように、生きる喜び・楽しみ・希望・心の安定が必ず戻ってきます。

私もつらい時期が長く続いたときは
「もう死にたい」
と強く常に思い詰め、主人に
「殺してください」
と頼んだこともあります。

生きているのがつらくてつらくて、夜も眠れず、毎日「消えてしまいたい」と思っていました。

私達夫婦にも子どもはいません。
主人が働きに出かけている間、私は家に1人きりで、気が変になりそうでした。
自分が何をするのかわからなかったので、包丁やハサミさえ見るのが怖かったです。

「無職でいることがつらい」
とご主人は言うのですね。きっとまじめで責任感の強いやさしい方なのだと思います。
少し具合の落ち着いているときに、
「自殺はしない」
と約束してもらいましょう。
うつ病の人はまじめなので約束は守ってくれます。

そして奥様は、へとへとにならないように気をつけてくださいね。
見守ってあげるだけで十分支えになっているはずですから。


制度を知ると
(千葉県)回答者 いちさん

37歳のうつ病とASD(自閉スペクトラム症)の男性です。
僕が希死念慮を訴えた10代のとき、主治医が、
「『死にたい』とご家族に言うということは、生きたいということなんですよ」
「本当に死んでしまう人は何も言わずにすっと死んでしまいます」
と話してくれました。

旦那様が
「死にたい」
と訴えているということは
「生きたい」
ということの裏返しでもあると、まずは理解してください。
そのうえで、ただ話を聞いてあげてください。
それだけでも少しは楽になるのです。

そして、臨床心理士や精神保健福祉士に相談し、
いずれでいいので精神障害者保健福祉手帳の取得や、
それによる障害者雇用の利用、
障害年金の申請と受給についても
調べて、考えてみてください。

精神障害者保健福祉手帳には税金の減免(割引や免除)もあります。
障害者雇用は給与の伸びは今後に期待ですが、よくなってから利用できる就労制度です。
そして障害年金も利用し、暮らしを助けてください。

それらの制度の存在を知るだけでも少しはホッとしますし、そのうえで旦那様には休息をゆっくりとらせてあげるといいと思います。
お役に立ちますように。
お大事に。


そっと手を…
(埼玉県)回答者  嶋村薫さん

ご主人を支えるのは、本当に不安でたいへんなこととお察しいたします。
真っ暗なトンネルの中にいるような毎日ですね。

実は、かつての私達夫婦もそんな日々を過ごしました。
私の場合は子どもを産めず、姑に責められ、離婚を迫られたことにより、重いうつ病になりました。
毎日「消えたい」と思い、死のうとしたこともあります。
どん底の毎日でした。

そんな私が今も生きているのは、夫のおかげです。
「死んだらいやだよ。大事だよ」
と言い続けてくれました。

あなたのご主人も、自分が重荷になり、生きている意味を見つけられなくなっているのだと思います。
あなたは、そっとご主人の手を握り
「大事です。必要です」
と何度も言ってあげてください。

支えるあなたも疲れていてたいへんなこともわかっていますが、引き留められるのはあなただけです。
私がそうでしたから。
どうぞご主人の手を離さないであげてください。
必ず出口は見つかります。

私達夫婦は今、おだやかな毎日をおくっています。
あなたもきっとそんな日が迎えられます。

居住地の保健センターには相談されましたか?
話を聞いてくれる保健師さんがいると思います。

各地に「精神保健福祉センター」もありますし、心の病の電話相談などもありますよ。
勇気がいりますがどうぞ周囲に助けを求めてくださいね
1日も早く笑顔が戻るよう願っています。


自分の休む時間も大切に
(東京都)回答者 ナデシコさん

双極性障害当事者の30代女性です。
投稿者の方も、ご主人の気持ちも、とてもよくわかります。
私も希死念慮が強かった時期が何度もありました。
今も仕事をしていませんが、
「仕事をしておらず、収入がなく、家族に迷惑をかけている。自分には生きている価値がない」
というご主人の気持ちは痛いほどわかります。

私の希死念慮が強かった時期に、両親にかけてもらった言葉は、
「どうか死なないでほしい。一緒に生きていこうよ」
でした。
シンプルですが、両親は私にやさしく寄り添ってくれました。

24時間ご主人のことを見るのはむずかしいし、主治医のおっしゃることはもっともですが、投稿者の方も休む時間を大切にしてほしいです。
ご主人も、投稿者の方にそういうつらい気持ちを口にすることで、自分の気持ちを受け止めてほしいんだと思います。
私も
「死にたい、死にたい」
とよく言っていました。

今はコロナ禍で確かに保健所は忙しいと思いますが、地域の「地域活動支援センター」などは、精神の病気で悩む当事者が通所していたり、相談している場所です。
ご家族の立場でも相談できると思います。

今はSNSが発達しているので、NPO法人などがやっている電話相談窓口だけではなく、LINEでも相談できるところもあります。
決して1人ではないということを、わかっていただけたらと思います。
人とのつながりは生きる希望です。


ただそばに
(東京都)回答者 カーカスさん

双極性障害、アルコール依存症41歳の男性です。
不謹慎かもしれませんが、少しならずうらやましいと思いました。
なぜなら僕は、2回目の精神科病院入院のあと妻に出ていかれたからです。
とはいえ、妻には迷惑かけっぱなしでした。

27歳で結婚した翌年に自殺未遂をし、入院。
37歳にはアルコール依存症になり、入院。

妻の最後の言葉は
「あなたといても、未来が見えない」
でした。

旦那様は、僕のようにストレートに迷惑かけてはいないようなので比較になりませんが、
やはり一番弱っているときに、ただそばにいてくれる人がいるというのは大きいと思います。

旦那様が相談者様に
「申し訳ない」
など本音をつぶやけるのも、必ず心の安定につながっていくものと思います。

今はただ、旦那様が自然に回復していくのをじっと待つのもありなんじゃないかな、と思います。

僕はすべてを失ってはじめて事の重大さに気づき、アルコールを断つことができ社会復帰できましたが、失ったものが大きすぎます。
今の危機を持ちこたえて、2人がこれからも支えながら過ごしていけるよう願っております。

 

○ネット特集へ戻る
○おこまりですか?へ戻る