セルフ・コンパッション手習帳(231号)新連載


新連載
自分によりそう毎日 
セルフ・コンパッション手習帳(231号)

○「こころの元気+2026年5月号より
申込について  申込はこちら
○231号へ戻る


第1回 はじめに

筆者水野 雅之(みずのまさし)
筑波大学人間系心理学域(スチューデントサポートセンター学生相談室)准教授


▼今回のポイント
○セルフ・コンパッションとは、自分への思いやりや慈しみのことである
○セルフ・コンパッションを身につけることはむずかしいが、ゆっくり少しずつ練習ができる



今月から連載を始める水野雅之です。

大学で心理学を教えながら、学生相談室の専任カウンセラーをしています。

学生相談室は大学生の悩みやしんどさに寄り添い、ともに考えながら困りごとの解決や心理的な成長を支えていく場所です。
大学教員という立場ですが、カウンセラーとしての仕事を中心に日々を過ごしています。

セルフ・コンパッション

この連載では、「セルフ・コンパッション」という言葉を紹介し、自分に寄り添いながら毎日を過ごせるようになることをめざしていきます。

セルフ・コンパッションとは、ごく簡単に言えば、自分への思いやりや慈しみのことです。

つらい状況や失敗に直面したとき、私達はつい自分にきびしくなってしまいがちです。
自分を責めたり、こんな失敗をするのは自分だけだと恥ずかしく思ったりすることもあるでしょう。
そのようなときに、自分に思いやりを向けてやさしく接することは、決して簡単ではありません。

自分にやさしく接することが大事なのはわかっているけれど、そんなふうに思えないから困っているんだ!」という読者の声も聞こえてきそうです。
セルフ・コンパッションをもつことは、むずかしいことなんだという点を大切にしたいと思います。

ゆっくり、ほどよく

そのため、まずは自分につらく冷たくあたってしまう回数や時間をほんの少しでも減らしていくことが最初の目標になるのではないかと思います。

その次の段階として、自分に思いやりをもって接することができる時間が、少しずつ増えていけばと願っています。

ただし、いつでもセルフ・コンパッションをもてるようになるのも極端であると私は考えています。
私自身も、ときに自分に対してきびしく接してしまうことがあります。
それもまた人間として自然なことではないでしょうか。
適度に、ほどよく、セルフ・コンパッションをもてるようになることをめざしていきたいと思います。

 

連載について

皆さんとゆっくり少しずつセルフ・コンパッションを身につけていくことを大切にしたいと思い、今回の連載を「セルフ・コンパッションの手習帳(てならいちょう)」と名づけました。

これから一緒に、ゆっくりとコンパッションを育んでいけたらうれしく思います。

この連載では、毎回自分で取り組めるワーク(下記)をご紹介していきます。

基本的に大きな副作用が生じるようなものではありませんが、実際に取り組んでみて、つらい気持ちが強くなったり苦しい感覚が出てきたりした場合には、無理をせず、いったん中止してください

 


○今月のワーク

呼吸を使ったマインドフルネス

①楽に座れる姿勢を見つけます。

呼吸をコントロールしようとせずに、ただ自然に呼吸を続けます。
 呼吸のたびに、鼻の穴を通る空気の出入りや、お腹のふくらみとへこみに、そっと注意を向けてみましょう。



マインドフルネスを行っていると、頭の中にさまざまな考えが浮かんでくることがあります。
これはとても自然なことです。

 大切なのは雑念が浮かぶたびにそのことに気づき、呼吸へと注意を戻すことです。
 つまり、雑念が湧わ かないように集中し続けることが目的なのではなく、雑念に気づき、呼吸に戻ることをくり返すところに、このワークの意味があります。



最初は短い時間(3 分ほど)で十分です。

慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、より長い時間(15 分ほど)にも取り組めるようになるとよいでしょう。


いかがでしたでしょうか?
また来月も誌面でお会いしましょう!(水野)

 


○「こころの元気+2026年5月号より
申込について  申込はこちら
○231号へ戻る