コンボの動き
vol.143 コンボが主催・関連した活動や今後の開催予定です。
○「こころの元気+」2025年9月号より
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○2025年7月19日開催
2025年度『こころの元気+』活用セミナー
「回復力を高める聴き方、伝え方」報告
コンボ 丹羽大輔より
「一緒に濡れる」ってどういうこと?
~高森マジックに学ぶ、伝え方・聴き方の極意
コンボは、2025年7月19日、東京・神田にて「『こころの元気+』活用セミナー(通称=こころの元気+まつり)」を会場とオンラインのハイブリット方式で開催しました(競輪の補助事業)。
猛暑日となった週末でしたが、定員80人の会場には約60人の方が足を運び、オンラインを含め全国各地から240人を超える方々が、高森信子さんの語りに熱心に耳を傾けました。
今回のテーマは「回復力を高める聴き方、伝え方」。
講師の高森さんは90歳を超えて今もなお現役で全国を飛び回り、支援者や家族、当事者達に大切な「関わり方」を伝え続けています。
やさしくおだやかな語り口の中に、人の心を揺さぶる深さと力強さがあり、「高森マジック」を感じる講演となりました。
ふだんのセミナーでは、高森さんのお話とグループワークを組み合わせた構成が多いのですが、今回はあえて講演だけに集中した3時間構成。
ゆっくりじっくりと、「聴くこと」「寄り添うこと」とは何かについて考える貴重な時間となりました。
前半の講演
前半は「傘を差し出すのではなく一緒に濡れる」ことの意味を中心に、高森さんが日々の関わりで体験してきた具体的な例を交えながら、伝え方・受けとめ方の根っこにある姿勢を語ってくれました。
▼会話のフィルターについて説明(右:高森信子さん)
なぐさめや助言ではなく、ただそこに共にいるということ。
それが、相手の回復力を育む第一歩になると、くり返しやさしく伝えてくださいました。
後半のQ&A
後半は寄せられた多くの質問に答える時間。
「アドバイスはいっさいしないというより、するタイミングがあるということですか?」
「相手の話を聞くときにする『伝え返し』ではどんな言葉を選んだらいい?」
など聴き手としての葛藤やとまどいに寄り添うように、高森さんは一つひとつの質問に真摯に答えていきました。
ときに笑いが起こり、ときに会場が静まり返る瞬間もあり、その場にいる全員が、言葉の奥にある想いを受けとろうと真剣でした。
▼会笑いにつつまれて(左:丹羽大輔、右:高森信子さん)
開催後アンケート
開催後のアンケートには、
「心に残る言葉がたくさんあった」
「相手の気持ちを大切にすることの意味を改めて感じた」
「家族との向き合い方のヒントをもらった」
といった声が多数寄せられました。
参加者の立場は、当事者・家族・支援職・教育関係者・行政など多様で、それぞれが自分の現場に引き寄せながら学びを深めていたことが伝わってきます。
「回復」は、上から何かを与えることではなく、横に並んで見守ることから始まる。
そのあたたかく力強いメッセージが、胸にしみる一日でした。
他のアンケートより(一部抜粋)
●つい声をあげて注意することが多く子どもがしゃべらなくなります。
気持ちを大きくもって接することが近道ですね。
常にできるように徐々にやっていきたいです。
(ぷーちゃんより)
●寄り添うことの大切さを改めて認識しました。
つい先読みしてフィルター越しの会話になりがちですが、まず相手の言葉をくり返して心に刻むことから始めて、コミュニケーションをとるように心がけたいと思います。
(ハローさんより)