働く生活にはこんな苦労が…(本人)


こころの元気+ 2013年7月号特集より


特集4
働く生活にはこんな苦労が…

精神疾患があると、仕事に就くまでが一苦労だと思います。しかし、働き始めたら、別の意味での苦労が増えることでしょう。そんな、皆さんの苦労話です。


朝にならないと具合がわからない
千葉県 あははさん


私は大学院を出てクローズ就職し、14年間一般企業で働いていました。
その頃は、朝6時半に家を出て、残業で帰りが夜11時を回る日々、今考えるとかなり無理をしていました。 病院には、保険証から会社にばれることを恐れ、躁転して病気だとわかるまでは自費で通っていました。

欠勤・休職をくり返し、会社から退職を勧告され辞めました。2度の保護・措置入院を経て、人間らしい生活がおくれず、働くことをあきらめていました。

ある日、テレビのニュースで就労移行支援施設のことを知り、自分も「もう1度チャレンジしてみよう」と自宅近くの施設を探して通い、何とかオープンで就職できました。

その会社は遠隔地雇用で、同じ精神障害者3人でスタートしましたが、会社の方針になじめず4か月で退職してしまいました。 再度、支援施設に通い直し、パートの職を得て、ちょうど1年経ちました。 今でも月に1、2度体調不良で休んでしまっています。
私の場合、具合が朝にならないとわからないので、いつ解雇されるか不安をかかえながら働いています。

 


休みにくい
千葉県 丸長有人さん


統合失調症歴14年半の 歳男性です。私は最初の退院後にCD店で働き、2度目の退院後から今までは、ホテルで朝の食器洗いと昼のレストラン清掃をしています。
病名は雇用主にはオープンで、同僚にはクローズです。

働くうえでの苦労は、勝手気ままには休めない点です。
最初の職場で、体調不良を理由に休んだとき、翌日、先輩の女性主任にきびしく非難されました。以来、めったなことでは休めなくなりました。

また、昔の職場も今の職場もシフト制で土日よりも平日のほうが休みやすいのですが、私は地元の消防団にも入っているので日曜に希望休を出す場合があります。そのため、定期の診察のためには希望休が出しづらく、シフト休が主治医の当番にあたった日に通院する形をとっています。

現在の職場に入ったときに事情を説明しましたが、支配人が代わった際に申し送りが不充分だったのか、忘れ去られています。
戦力として期待されるのはうれしいのですが、もう少し配慮がほしいものです。

 


知られないか不安
埼玉県 羊飼いの呼び声さん


苦労というより不安でしょうがない話です。
私は今の会社でクローズで働いています。 病気が落ち着いて働けるようになり、夢だった仕事に就くことができました。

今は、試用期間という意味でアルバイトなのですが、どうしても続けたいので、きちんと仕事ができるようになるまで病気だとバレてほしくないのです。なので、日中眠くても「薬の副作用」とは言えません。体のだるいときでも同じです。
これに関しては、主治医に相談し、眠くないように薬を調整してもらいました。
それよりも、心配なのは前に勤めていた会社からの情報です。 実は前々職の会社ではオープンで勤めていたのですが、同業界で地域も近いため、前職、前々職、現職のトップ同士が面識があるのです。狭い業界、地域のなかで何かあったときに話題に出て知られてしまわないか不安に思っています。