支援をしてくれる人と一緒に(専門職)


こころの元気+ 2014年6月号特集より


特集7
支援をしてくれる人と一緒に


「支援者」とうまくつきあおう!
佐藤恵美

(奈良県):地域活動支援センター ぴあぽ~と 精神保健福祉士


私は地域活動支援センターで働く精神保健福祉士です。
今回は「お役所とのつきあい方」がテーマですが、正直、私もお役所は苦手です。
でも、生活していると何かと役所での手続きはあります。
「自分に関係する手続きは自分でやるのが当然!」と、ちゃっちゃとできる方もいるでしょう。
でも、役所へ行く交通機関の利用に不安があったり、人混みが苦手だったり、「手続き」と考えただけで疲れてしまったり、帰り道にちゃんとできたかどうか不安になって何度も確認したりという方もいるでしょう。

そんなあなたに強い味方となるのが「支援者」です。
役所に提出する書類というのは医療や福祉関係に限らず、どれも大切な書類です。ご自身がきちんと理解したうえでの署名捺印が基本です。
「わからないまま、言われたとおりに記入した」なんてよく聞きますが、それはよくないですね。
場合によっては何か不利益が生ずる場合もあるかもしれません。

支援者は、「あなたがわかるように説明をする」「ゆっくりとあなたのペースで書く書類を見守って確認する」「役所に一緒に行く(同行)」「役所の担当者からの説明を一緒に聞く」「後日わからなくなったら再度説明する」などの支援ができますので遠慮せずにご相談ください。

「『こんなことも自分一人でできないのか』と思われるのでは?」という方もいますが、しんどいときは無理せずに頼ってくださいね。
それに自立支援医療や障害福祉サービス受給者証は年に一度更新の手続きがあるので、何度か支援者と一緒にやれば慣れてきてご自分でできるようになる方が多いです。

ここでいう支援者は専門職だけとは限りません。手続きに慣れた当事者仲間もありですし、今のところはご家族が支援者という方もありです。
ただし、ご家族の方は「私がやらんと」と責任を感じて手続きの代行を続けるのではなく、親亡き後の安心のためにも、ご本人に「支援者と一緒にやっていくように」と任せていくといいのではと思います。

 


 

どんな社労士に依頼すればよいのか?

井坂武史(大阪府)

社会保険労務士
井坂事務所代表。2011年7月号から14年2月号まで、本誌で「わかりやすい障害年金入門」を連載。


私は障害年金の手続きを専門にしている社会保険労務士(社労士)の井坂武史といいます。

障害年金の手続きを社労士に依頼する場合について考えてみたいと思います。
早い話が、自分や家族、病院のソーシャルワーカーでは手に負えない場合、それは障害年金を専門にしている社労士に依頼したほうがいいと思います。

では、どのような社労士に依頼したらいいのでしょうか。

報酬が安い、親身に話を聞いてくれる、知識が豊富、経験年数、病気に対する理解があるなどが条件として考えられますが、私が最も重要視していることは、複数の選択肢を用意していることだと思います。
社労士の目的は、あくまでも依頼者に障害年金をお届けすることです。 そのため、相談を受けた段階で「このように請求しよう」と頭の中で青写真を描きます。
ただ、青写真の通りに進まないのが障害年金の常です。そのようなときでもあわてず、次のプランを用意しておくことが重要だと考えています。

年金事務所や市役所の職員は書類が間違っていなければ受けつけてくれますが、社労士は依頼者に障害年金を支給するために仕事をしています。
どのような社労士に依頼するかは相性や報酬の問題がありますので一概にはいえませんが、ホームページなどで確認し、複数の社労士に電話相談するといいと思います。
そのうえで、自分と相性の合う社労士と契約すればいいのではないでしょうか。

安い社労士に依頼したいという気持ちはわかりますが、高いか安いかの違い以上に、「障害年金が支給されるために、一緒になって権利を守ってくれる覚悟が社労士にあるか」が重要だと思います。