ペットについてのつらい話(本人)


こころの元気+ 2014年9月号特集より


特集7
ペットについてのつらい話

つらいなー、しんどいなーというとき、ふとよりそってくれるペットたち。
でも、どうしてもペットは先に旅立ってしまいます。他のトラブルも含め、つらい話が集まりました。


かけがえのない時間を
静岡県 ふわりさん


今年の冬、13年間飼っていた猫が死んでしまいました。
この猫とは、飼い始めの頃はあまり仲よくありませんでした。私がうつ病で仕事を辞め、家にいるようになってから、だんだんと仲よくなりました。
つらくて布団で寝ているとき、ひょこひょこと足の上に乗ってきて一緒に寝てくれるようになりました。

元気で病気一つしない猫でしたが、腎不全を起こしてしまいました。
大好きだったご飯を食べなくなりました。ほぼ毎日病院へ連れて行きました。なんとかご飯を食べてほしいと思い、水を足して柔らかくしてみたり、匂いを嗅がせてみたりしましたが、食欲が回復することはありませんでした。

そんな日々が一か月余りすぎた頃、猫は天国へと旅立ってしまいました。
泣きながらペットの体をなでてやり「がんばって生きたね」と声をかけてあげました。悲しくて涙が止まりませんでした。
お気に入りのペット用ベッドに寝かせてやり、火葬場へ連れて行ってあげました。家に帰ってきても、出迎えてくれた猫はもういません。布団にもぐっても、上に乗ってきてくれた猫はもういません。
思い出しては泣き、携帯で撮った写真を見ては泣きました。

今でも、動物病院の前を通ると、胸が締めつけられるようなつらさを覚えます。泣く時間は減りましたが心の整理はまだついていません。
「死んでしまったとき悲しいから、ペットは飼わない」という人の気持ちが痛いほどわります。
ただ、もし、初めから猫を飼っていなくて、この13年間が猫のいない13年間だったとしたら……。そんなことは考えられません。

今ペットを飼っている人は、いつか来る別れの日をあまり恐れず、一緒に過ごすかけがえのない時間を満喫してほしいと思います。


ありがとうと言いたい
兵庫県 にこさん


ペットって、いるだけで家の中の空気を動かすんですよね。でも必ずといっていいほど先に旅立ってしまう。それは避けられない現実なんですが、我々人間もそれを乗り越えないといけない。
それでも7年経った今でも毎日思い出します。

犬なんですが、女の子で、小柄で毛が柔らかくてやさしい目をしていて、癒されるってこういうことをいうんだなと当時から感じていました。
「どうしてそんなところに病気ができるの!?」と叫びたくなるほど、病気のできた場所が悪く、手術もできませんでした。喉頭に病気ができたのです。でも彼女は苦しくても弱音を吐きません。それがまた切なくてたまりませんでした。

もっともっと一緒にいたかったけれど、気づいたときには時すでに遅しで、1か月しか一緒にいられませんでした。
彼女は私がうつのときでもじーっと見つめ、一緒にいてくれたり、なめてくれたり、やさしい存在でした。
だけどいなくなった今は、うつになってもそばにはいてくれないんですよね。それがさびしくてさびしくて。
彼女が旅立ったとき、近所の奥様方から洋花をたくさんいただきました。中にはブーケにアレンジしたものなどもあって、みんなに愛されていたんだなとひしひしと感じました。
今でも写真はたくさん飾ってあり毎日見ます。うつのときは一日に何度も見ますし、想像もします。一緒に寝たときのことを思い出します。会えるならもう一度会いたいものです。
彼女が旅立ってしまってから、家の空気は少し止まってしまいましたが、一緒に過ごした10年を忘れません。ありがとうと言いたいです。


母親に頼りっきりに
東京都 鈴木里奈さん


数年前、ハムスターを飼っていました。
出会いはお正月。元彼と初詣に行き神社の近くのペットショップに遊びにいったときでした。
小学校のときに友達がハムスターを飼っていて、とてもかわいかったのを覚えていて、携帯で両親に電話をして許可をもらい、お年玉や貯金で飼うことにしました。
女の子がよかったので、「女の子のハムスターはいますか?」と聞いたら、店員さんが一匹だけいたその子を奥から出してきました。アイドルにそっくりな美人さんだったので、そのアイドルの名前をつけました。

家に連れて帰って、初めて箱から出したとき
「ジッ、ジッ」と鳴いて威嚇してきたので、初めて動物を飼った自分はすっかりおびえてしまいました。この子も怖かったのに…。臆病な子で、抱っこしようとするとおもらしをするし、目が腫れて動物病院に連れて行くと、獣医さんも触ることがやっとな状態で、体重測定ができないほどでした。

交流はエサをやるときだけでしたが、夜自分が眠くなってしまい母親がエサをやっていました。掃除も母親に頼りっきり。
最初は小さな子でしたが、みるみるうちに大きくなってしまい、今思うと、それは「むくみ」だったのです。
飼い始めてから亡くなるまでの2年間、この子にはつらい思いをたくさんさせてしまいました。
母親に飼育を任せてしまった自分もすっかり反省し、今度動物を飼うときは「その子の人生を預かるのだから」という強い覚悟と責任感を持たなければならないと強く感じました。ごめんね、こじはる!