グループは3人からでも始められる(本人)


こころの元気+ 2014年9月号より


特集2

グループは3人からでも始められる
~グループには、いろいろな始まりがあり、いろいろな形がありました~


自らが決めるという思いから

(栃木県)まちにとびだす障がい者の会
福田一夫さん


障がい者のことを決めるのに、その席に障がい者がいない。障がい者のことは障がい者自らが決める。そんな思いがNPO法人雑草の始まりでした。

今回紹介する「まちにとびだす障がい者の会」にはNPO法人雑草という前身の組織がありました。NPO法人雑草は身体・知的・精神にとらわれない障がい者と、これに賛同した健常者で理事会が組織されておりました。
NPO法人として約10年の活動がありましたが、法務局への収支報告等の不備から解散いたしました。その後の受け皿として産声を上げたのが、「まちにとびだす障がい者の会」なのです。

まちにとびだす障がい者の会は、精神障がい者中心の任意団体です。4人の精神障がい者で始めました。
代表と会計を置きましたが、一人の精神障がい者に会のお金の管理を任せるのは負担になるようでした。お金の問題でNPO法人雑草も解散しただけに考えさせられました。

まちにとびだす障がい者の会のこれまでの目立った活動といえば、きょうされん制作の映画『ふるさとをください』の上映会、昨年度の「日光市個性ある地域振興事業」、市民活動支援センターの登録団体として、日光市ボランティア・フェスタの実行委員会への参加、障害者自立支援審議会委員会への参加などがあげられます。

これらの活動を通して、私たちは福祉の担い手と呼ばれる人たちと友達になりました。
物言わぬ障がい者から物を言える障がい者へと成長してきました。その過程で自分の弱みである障がいと向き合うことができました。弱みである障がいに立ち向かい乗り越えることができたのです。

仲間の会のよいところは飾らない人間関係にあります。素直に障がいを語り合えるのも成長には欠かせないと思います。


気づいたら始まってました

(群馬県)
こだぬきさん


もともと東京で当事者団体のスタッフだった私が結婚で群馬に来たのが2003年。まず翌年入院したことにより、家がそばの仲間と知り合いました。そして県営住宅に入居できた後の2011年、職業訓練に通ったとき、さらに家がそばの別の仲間と知り合いました。

私の趣味は何を隠そう「友達に友達を紹介すること」。「友達の友達はみな友達だ…」を地でいっているのです。
だから毎度の成り行きとして、2004年に知り合った友達に2011年に知り合った友達を紹介して、3人でわが家で集まるようになったのですが、しばらくしてすごいことに気づいてしまいました。
「も、もしかして…、これってピアグループなのでは…?!」
結婚による転居のために当事者団体スタッフを退職したはずの私なのに、気づいたらピアグループをつくっていたのです。でも、そう気づいたあとも「自然な集まり」を努めて心がけました。

現在はメンバーは2人増えて5人になりました。みな家が近所。自転車や歩きで気軽に集まります。
集まる場所はおもに県営住宅のわが家です。体調が悪いメンバーも多いので、集まれるときに集まれる人が集まりますが、誕生会だけは全員集合で会場も別の発足時からのメンバー宅に移してプログラムも立ててやります。

自由なおしゃべりから自分や家族のかかえる問題の相談、病気や治療やさまざまな制度や支援機関の情報交換…、誕生会のときに会場になってくれる発足時メンバーはコンピュータを始めとしていろいろなことにくわしい人でもあるので、メンバーからのリクエストで「〇〇教室」を開いてもらうこともあります。
ただ、個人の家が会場のため、連絡先公開もメンバーの募集もしていません。