典型的な事例と対処法5


精神科を紹介されるときは、いろいろな身体症状の原因が他の科では治らなかった場合です。いろいろな可能性を否定した後、初めて精神科にかかることにしましょう。

精神科にかかる前に、たいがいの人がすることは以下のようなことです。

いろいろな人や医師に精神科に行くべきか相談する
精神科の知識を集める
紹介された病院の情報を集める

初めて精神科にかかってみると、「おや」と思うことがあります。

主治医が、世間を知らないので、困ってしまう

そこで、このように対処することもできます。
通院する病院を代えることも可能だった

精神科にかかって、はじめの頃は外来ですみます。

薬を処方されたら、決められた分だけ飲む
薬を飲むと体が辛くなるので、それを主治医に訴えて、自分にあった薬を探してもらう
次の予約を入れられることが多いので、その時には通院する

精神科の初診では、どんなことが聞かれて、どんな風に振る舞えばいいのでしょうか。

睡眠や過ごし方について聞かれます
精神科の症状と思われることを素直に話します
精神科と関係ないかもしれない症状についても話します
ここのところどうやって過ごしているか、話します
気圧や気候の変化と体調について話します

それから、精神科でも症状や薬物療法にともなって必要になる医学的な検査があります。こちらから依頼しないとしてくれない場合があるので気をつけましょう
血液検査、血圧の検査をしてもらうよう依頼する

 

経験談を「こころの元気+」から見てみましょう

筆者の所属は執筆時の所属先です。


自傷行為から立ち直るには

Q 私は四二歳の主婦です。子どもはいません。「神経症」と診断されましたが、うつ状態でもあるとのことでした。そのうつ状態がひどかったころに、自傷行為をしました。手首から三〇センチほど刃物で自分で自分の左腕を何本も切りました。「リストカット」というよりも「アームカット」という感じです。血が出てくるのをじっと見ていました。そのときの心理状態は今でもよく思い出せません。でも日が過ぎて少し冷静さを取り戻したとき、その傷跡は私の心の重い負担となりました。今もそのたくさんの傷あとを見るたびに気分が滅入ってしまいます。こんなみにくい傷をもっている私にはもう友だちができないんじゃないか、とか、生きている価値がないんじゃないかとか、死にたい気持ちにもなります。それ以来、自分をとりまく世界が変わってしまったように思えます。他にもこのような自傷行為をされた方がおられましたら、その方たちの気持ちや、またどうやって立ち直っていかれたのかを知りたいです。よろしくお願いいたします。


 

A 傷とつきあって生きる/倉田真奈美(岡山県)

私も三八歳で子供がいません。私も自傷行為をしますが、壁に頭を打ちつけたり顔を叩いたりするので傷は残りません。昨年子宮筋腫と肺の腫瘍の手術をして体に二本大きな傷があります。最初は近所の温泉に行くとみんなに見られてるみたいな気がして苦痛でした。彼に気持ち悪がられて抱いてもらえないとか女性として魅力がなくなったのではと落ち込みました。しかし、この傷のおかげで死ななかったのだし、彼はなんと傷が「かわいい」と言って、いやがるどころかやさしくいつもなでてくれます。傷があっても私は私で、何も失わなかった。むしろ命の大切さ、彼の思いやりに気づかされて、今は傷と一生つきあっていこうと思っています。傷を見たら自分を責めるのではなく、あの時はつらかったのだなあ、自分は生かされているのだなあと感じれたらラクになるかと思います。


こころの元気+2007年12月号 おこまりですかでは他の人に聞いてみましょう より