躁うつ病の人とのつきあい方(友人・家族)


こころの元気+ 2012年10月号特集4より 『こころの元気+』について


躁うつ病(双極性障害)の人と私はこうつきあっています


離婚か薬か
千葉県 平盛時さん

私の父が躁うつ病でした。どういうふうに、私と母が父とつきあってきたか、お話ししたいと思います。
父は、病気でテンションが高まると、勝手に通院や服薬をやめてしまい、人の話を聞かなくなりました。
挙句の果てには「俺は、日本のゲーテだ !!」と叫んだり、刃物を持って大暴れしたり、本当に手がつけられませんでした。
ただ、父の場合はいい主治医がいて、電話で父を説得してださったおかげで、何度も父は入院しました。
入院して、きちんと薬をのんでいれば、父の病状は治って、退院もできました。
父の晩年は、母が、本人がどんなに薬をいやがっても「離婚しますか。それとも、薬をのみますか」と言って服薬と通院を続けさせたため、父は、母がそういう態度に出るようになってからは、仕事を続けられるようになり、急性肺炎で亡くなるまで躁うつ病の症状は発症しませんでした。
とても基本的なことなのですが、いくらまわりが困っても、本人が困らないと病院には行ってくれません。
躁うつ病の躁状態のときは、本人は「健康な人より自分は健康」と思っている様子です。
程度の軽い方は、自分がおかしいと気づくようですが、父はそうではなかった。申し訳ないけれど、今ほっとしています。


性格習慣病と思ってつきあってます
大阪府 まおさん

友人に躁うつ病の人がいます。
春は明るく、秋は静かで、夏はうるさいぐらいにぎやかで、冬は死んでしまいはしないかというぐらい、テンションが低い傾向があります。
焦燥感を持ちやすいようで、別に不必要に尻をたたかなくても、勝手に自分の思うことをまじめにがんばっているときは見守り、エネルギーが切れているときは、黙ってごはんを一緒に食べています。
長年躁うつ病らしいので、ずいぶん苦労したようですが、まじめにがんばっているので友達づきあいをしています。
うつのときは、あまり説教や追いこみをせず、躁のときは、たしなめを少しして、感情の振りを共有するようにしています。
ただ、うつを自分の不本意な状態のいいわけにするときは「それは違うと思うよ」と言うようにしています。
躁うつ病の人は人より気候に体調が影響を受けやすく、昔、お天気病といわれていたのも、あながち的外れではないかもしれないと思います。
単に躁うつ病という「性格習慣病」であると私は思っているので、性格の特性に従い人づきあいをするだけのことで、何も特別な配慮はしていませんが、その友人には、体調がかんばしくないときには「だいじょうぶかい」でなく「調子はどうかい」と軽く聞いたほうがいいようです。


プライドを考えて
千葉県 倉田真奈美さん

先日、躁うつの人と、お仕事をする機会がありました。
その日お会いしたときから、ヤケに今日は元気だなあ、と心配していましたが、悪い予感は的中。仕事中も、おしゃべりが止まらないし、休憩時間は歌いながら踊っているし、参りました。
でも、本人はとても楽しそうだし、皆さんもあたたかく見守ってくださり、無事仕事もうまくいきました。
途中で私が「話が長いよと、巻け!」の合図をしたり、こらこら、と叱るのを漫才っぽく演出したので、本人も「あっ、しまった」と気がつき、後半は落ち着いてくれました。
冷や水をぶっかけないように、相手のプライドを傷つけないように、やんわり教えるのが、一番いいと感じました。
後で落ち着いてから「だいじょうぶ? 心配したよ」などと、ふり返るのも、自分で自分の言動を考えてもらえていいと思います。
躁が悪いことだと私は思いません。
場が盛り上がったり、ムードメーカーになるのなら、長所だと思います。
ただ、最初の夫が、はげしい躁転をしたときは驚きました。
狂ったようになり、真夜中の高速道路をバイクで逆走し、ガソリンをタダで入れさせ、裸足で帰ってきました。
夜は寝ないし、車や洗濯機を壊したり、私に暴力をふるったり、泣き叫んだり、手がつけられませんでした。
すぐに病院に引っ張っていき、薬をのませたら半年ほどで治りましたが、躁も本当にひどいのは危ないです。
すぐ受診したので、再発はしませんでした。
生きていてくれて、本当によかったです。