特集3 ピアサポートを文化に!


特集3 ピアサポートを文化に!
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著者:(ピア文化を広める会)
とねちゃん、ゆきんこ、けんちゃん

 

ピアサポートの輪を広げ、ピアサポートを文化にする

何だかたいへんそうに思えて、実は人と人が交わる身近なところにいっぱい転がっている。
1人ひとりがピアサポートを意識し始めることで、とても世の中が生きやすく感じられ、
人と人とのつながりをより意識し、イキイキと日常生活をおくることができるようになってしまう。

こんなすばらしいことなのに、一時的なブームで終わってはとても悲しい。

そんなことにならないように、はっきりとピアサポートを意識し、
みんなで伝え合って、ピアサポートの輪が広がり、
あたりまえに障がいや病気、つらい体験を話せるようになり、
あたりまえに障がいや病気、つらい体験を聴き合えるようになり、
あたりまえに仲間の話を聴き合えるゆとりが互いに持てるようになり、
あたりまえに仲間を作り増やせるようになり、
あたりまえに仲間同士が支え合えるようになることが理想です。

そのような関係性になるには、今までの固定化した関係性の中にあった生きにくさに気づき、
そして、その関係性を柔軟化し、
かつて持っていた対等で自由な居心地のよい関係性に気づき、
ありのままの自分を感じ、力を感じ、夢や希望を持って歩み始めることが大切です。

 

身近にあるピアサポート

むずかしく考える必要はありませんよ。
ピアサポートは、人と人が交わる身近なところにいっぱい転がっているのだから。

たとえば、
友達とお茶したり、
買い物に一緒に行ったり、
愚痴をこぼしたい人の話を聞いてあげるとか、
何か事をなそうとしている人と一緒に体験してみるとか、
人と関わると、驚きや新たな発見、学びがあり、自分の経験の幅が広がります。

まずはむずかしく考えずに、人と人とのつながりを感じながら自分の無理のない範囲で一緒になって体験することで、ピアサポートの経験がだんだんと増えて、〝私のピアサポート体験〟が語れるようになります。

 

具体的に私のピアサポートをご紹介すると

●とねちゃん
 とねちゃんは、アイデアが浮かぶとすぐに行動してしまうという特性を生かし、精神障害者のスポーツチームというつながる場を作ったところ、「自分の特性を隠さずに理解して応援してもらえる環境だったら、自分はすごい力を発揮できるのだ」と感じるようになり、自分の特性ではまわりを困らせることしかできないという思いこみが、希望に変わりました。

●ゆきんこ
ゆきんこは、長期にわたる入院生活、援護寮での生活を経て、ピアカウンセリングと出会いました。
メンバーは自分の親くらいの年齢の方が多かったですが、病気をもちつつ生活をすることの楽しさと困難さなどを聞くことができました。
今まで「私だけが…」と孤立していると思っていましたが、彼らは自分の経験を話してくれただけでなく、私の話もよく聴いてくれました。
支援者には話せないようなことを話し、支援者には聴かせられないようなことを聴いてくれました。
今はほかの当事者活動、ピアスタッフとして精神保健福祉士としての仕事もしていますが、私の原点、核となっているのは、初めて自分以外の当事者の話を聴き、聴いてもらう、そのときにこれまで閉じていた心がふと開かれたときの経験だと思います。

●けんちゃん
けんちゃんは、「お茶べり会」いう集まりに参加し、みんなでゆったりとした非日常的な環境でいろいろ話すのは楽しく、会が終わる頃にはとても気分がよくなって、元気が出ます。

 

新刊「ピアサポートを文化に!

ところで「ピア文化を広める研究会」が関わったコンボの新刊の『ピアサポート講座テキスト ピアサポートを文化に!』を手にすると、どんな感じなのでしょう?

●とねちゃんより
「これからピアサポートを学んでみたい、実践してみたいと興味を持っている方に、わかりやすくピアサポートとは何かが書かれ、グループワークの方法もたくさんあり、講座開催もできます」

●けんちゃんより
「このテキストを実践することで、相手の話を、自分のことのように聴けるようになりました」
ピアサポートはひとりではできませんが、この本が皆様にとっても何かのきかっけになって、よりよい生き方ができるようになってくれればいいなぁと思います。

 

●最後に
この本『ピアサポートを文化に!』をきっかけに、
全国で話し合いの場や居場所ができ、
ピアサポートの輪が広がり、
今困難をかかえている人が世の中のつながりの中でよりよい生き方ができるようになり、
そこからピアサポートが文化になって、
あたりまえにピアサポートが実践されている世の中になっているといいなぁと思います。

そして、今の子ども達が困難な状況をかかえることになっても、我々のような苦しい世の中を経験しないですむ世の中になっていたら、もっといいなぁとも思います。
「ピアサポートを文化にする」というのは、簡単なようでむずかしいです。
ピアサポートに少しでも興味が湧いたら一緒にピアサポートの輪を広げていきませんか。

(余談)
 そして、最後に余談ですが、本には正しい買い方があることを皆さん知っていますか?
 まず1冊目は保存用に、2冊目は個人勉強用に、3冊目は知人や友人へのプレゼント用として3冊買うのが正しい本の買い方です(笑)。
よかったら1人3冊買っていただき正しい本の買い方を実践し、この本を広めていただけたらとてもありがたいです。
ピアサポートは1人ではできません。

 

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