ちょっと知りたい! 就労パスポート


ちょっと知りたい!
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第73回 就労パスポート
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 著者:建石幸子(一般社団法人ルンアルン ルンアルン1 就労支援員)


就労パスポートとは?

令和元年11月に厚生労働省が発表した情報共有ツールです。
厚生労働省によると「障害がある方が、働く上での自分の特徴や希望する配慮などを整理することで、就職や職場定着の促進を図るための情報共有ツール」とされています。
作成や提出、活用、共有の範囲は必須ではなく、ご本人の希望に応じて選択できます(リンク先の概要を参照)

実際の活用、使い勝手

就労パスポートが発表されて約1年が経ちました。
支援機関向けにも、就労パスポートの研修が各所で行われています。
実際に、弊所では応募時に提出を求められて…、ハローワークで作成をすすめられて…という理由で作成をされた方がいます。
私が初めて内容を見たとき「項目が多いなぁ」と感じました。
ただ、項目は多いものの「自分にはどんな環境が合っている? 作業時の注意点は? どんな指示の出し方なら理解しやすい?」など、具体的に自分自身の特徴についてふり返れる内容になっています。
働くイメージや配慮事項がぼんやりしている方は、作成をすることで、これらを整理できます。

気になるところ

作成して感じたことは、
「実際に働く環境や一緒に働く人によって変わる」
「働き続けていく中で、変化していく部分もある」
でした。
応募時に提出するときには、ご本人の特性に合った作業内容や環境を検討することに活用される一方、記載内容によって先入観が生まれる、型にはめようとすることが起きるのではないかと懸念しています。
私共としては
「ご本人の人柄や希望、熱意などは、直接お会いして感じていただきたい!」
と思っています。

また、障害の有無にかかわらず、実際に就職してからいろいろと気がつくこともあります。
そのため定期的に内容を更新し、ご希望に応じて事業主と支援機関と共有していく必要がありますが、実際に仕事をしながらその時間がとれるのかどうか…。
今後も活用方法を模索していきます。

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