文化庁文化審議会国語分科会国語課題小委員では、5月30日の「スポーツへの障害者の参加の更なる促進のため「障害」の「害」の表記について検討を求むるの件」という衆議院文部科学委員会での決議を受けて、6月8日にこの課題を議題として取り上げています。→ 議事次第はコチラ
コンボでは、「碍」の文字を常用漢字に追加をしてもらいたいと考えています。
そこで、この小委員会でも検討をしていただきたいと考え、7月17日に、文化庁文化部国語課長 髙橋憲一郎 様あてに、「碍」の字を常用漢字に追加することに関する要望書を提出いたしました。
要望書のPDFはコチラ
なぜ「碍(がい)」の字を当用漢字に加えるべきなのか→「障碍」「障害」表記研究家の豊田徳治郎さまに、「こころの元気+」にご寄稿いただいた文面を豊田さまの許可を得て掲載しております。下記をそれぞれクリックしていただくと、記事のPDFにリンクします。
●「精神障害」は「心的障碍」に(豊田徳治郎)
● 呼称と表記を考えるシンポジウムに参加して(豊田徳治郎)
以下は、コンボが文化庁に提出をした要望書の全文です。
平成30年7月17日
文化庁文化部国語課長
髙橋憲一郎 様
認定特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構
272-0031 千葉県市川市平田3-5-1 トノックスビル2F
TEL 047-320-3870/ FAX 047-320-3871
共同代表理事 宇田川 健
「碍」の字を常用漢字に追加することに関する要望書
平素は、国語の改善及びその普及に対してご尽力されていることに、厚く感謝申し上げます。
本機構は、2007年の創立以来、精神障碍のある人たちに対する正しい知識の普及、差別や偏見をなくすための活動などに取り組んでまいりました。
そうした活動の一環として、「精神障碍」という標記が可能になるよう、このたび「碍」の字を常用漢字に追加することを強く要望いたします。
「碍」という文字を常用漢字に追加するための検討は2010年に国会等で行われましたが、残念ながら追加には至りませんでした。障碍のある人たちに対して、「障碍」という表記は古くから行われていましたが、戦後、当用漢字に「碍」の字が入らなかったために、公的な表記として「障害」が使われるようになりました。
しかし、「害」という表記が偏見を助長するという理由のもと、「障碍」という表記を独自に使用している会社、団体などもあります。また、「害」の使用を避けるためにやむなく「障がい」という漢字とひらがなが混在した所謂「交ぜ書き」も目立ち始めています。
また、碍の字は一般のパソコン等の変換機能では、標準となっています。これは、国際的に見ても障碍と書くことが推奨されていると思われます。
本機構は、「障碍」の表記が、広く可能になるよう下記について要望いたします。
記
1.「碍」の文字を常用漢字に追加してください。
1. 各種公文書の中で、「障害」という表記を「障碍」と改めるようにしてください。
以上、要望いたします。