うつ状態からの脱出体験1(本人)


「こころの元気+ 2016年4月号」より  ※「こころの元気+とは?

特集6 うつ状態からの脱出体験(その1)
うつ状態からどのように脱出し、回復したのか、体験談を掲載しました。


おでん(千葉県)よしこさん

幼い頃からうつ病を患っています。
仕事に就いても続かず「薬をずっとのんで死ぬまで布団の中で過ごせばいい」と思うくらい、心はすさんでいました。
通院もせず母に薬をもらってきてもらう生活。
でも、布団の中の私に、母はずっと話しかけてくれました。「これ以上、母を悲しませられない」と一念発起し、通院しました。

医師は「おでんがおいしい季節だね。コンビニのおでんもおいしいね」と言いました。
すると母が「一緒にコンビニへおでんを買いに行こう」と誘ってくれたので、勇気を出し外出しました。
次の診察時、医師に話すと「おでんがつくれるといいよね」と言ったので、母と一緒に食材を買いに行き、頭がぼーとしている私は、キッチンで母がおでんをつくるのを眺めていました。
それから、母とスーパーに行くことを日課とし、母が料理をする際は眺め、そのうちに手伝いをするようになり、簡単な料理は一人でつくれ、ふるまえるようになりました。

どのくらいの期間を要したかは、覚えていません。
今でも波はありますが、なぜあんなにもすさんでいたのか自分でも不思議です。つらいこともありますが、すてきな出会いや、きれいな景色を見ると、生きているって幸せだな、と感じます。


猫たち(千葉県)香西さん

私の場合薬がきいていて、特に午後になると活動しやすくなります。最初は気合いがいるのですが、一度スイッチが入ると長い時間動けます。

一番最初の頃は寝こんでいて、ひきこもっていたのですが、両親が他界すると自分で何でもやらなければいけない世界に放り出されました。
書類や手続きうんぬんはまぁ置いておいて、一番の問題は猫でした。
自分は好きなときに食べてトイレに行って寝ればすむのですが、飼っている猫はこちらの症状を考えてはくれません。
結果、エサがなくなると買いに行ったり、水がなくなるとあげ、トイレは掃除してと自動的に起きなきゃいけない状態になりました。
「今、私が自殺したら、この猫たち(3匹)は餓死してしまう…!」
そう思ったら自動的に活動するようになりました。単純な性格なのも原因かもしれません。

外に出て活動して、だいたい疲れすぎた状態で帰宅するのですが、最近は季節の変化にも気づけるくらいまでになりました。
また、この年になってピアサポーターの勉強に精を出すまでになったのは、作業所の指導員さんや同じような悩みをかかえた仲間たちのおかげだと思います。


眠り(大分県)ぽえまるさん

私の病気は統合失調症です。
冬の時期が一番「うつ状態」になりやすいです。
私のうつ状態は「ひたすら眠くなる」のが特徴なので、そういうときは体の調子に合わせて気のすむまで寝ています。
時間さえあれば少しの間でも、すぐに横になります。夜もしっかり睡眠をとるので、この「うつ状態」のときは12時間ぐらい寝ています。
寝ると、イヤなことも忘れるし、さらには体のだるさもとれ、一石二鳥です。

だるさなどがなくなったら、趣味の「詩やエッセイをつづることなど」に没頭します。休んでいたときに思いついたことを覚えている限りノートに書き残したり、今の気持ちを作品にしたりして、雑誌や新聞などに投稿をしています。
また、いつも聞いているラジオ番組へメールを送ったりして、他のリスナーさんたちとラジオ番組を通じて、一緒に楽しんでいます。

「うつ状態」のときにひと休みしていたことに集中できるようになったら、その状態からぬけたと思うようにしています。
そこで気持ちにいったん区切りをつけるようにする、私なりの工夫です。