第10回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)表彰式を開催



「第10回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)」
「当事者部門」「支援者部門」で、3氏1団体を表彰
~独自の発想による活動や、地域で連携する画期的な取り組みを評価~


特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ(事務局:千葉県市川市、以下「コンボ」)は、2014年3月19日(水)、ベルサール八重洲(東京 都)にて、「第10回精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)」の表彰式を開催し、「当事者部門(副賞100万円)」と「支援者部門(副賞50万円)」の 2部門あわせて3氏1団体の受賞者に対し、楯と副賞を授与いたしました。

【受賞者、プレゼンター 桂米團治さん、選考委員、協賛社による記念撮影】

 


第10回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞) 受賞者プロフィールおよび受賞理由


【当事者部門】 おかよしこ(よっちゃん)さん 〈大阪府大阪市〉
ひとり芝居語り部 『闇の中、輝く命~統合失調Show♪♪♪~』などの創作表現活動を展開
統合失調症やさまざまな体験などを音楽、絵画を用いたひとり芝居や、文章など多様な創作表現で発表。ひとり芝居語り部 『闇の中、輝く命~統合失調Show♪♪♪~』では、精神科病院の体験、信頼できる医師との出会い、仲間との交流などを描き、精神障害者に対する差別や偏 見、固定観念を打ち破り、精神障害者である前に一人間、すべての人が生きていることに価値があることを伝えたいと創作表現活動を行っている。活動のユニー クさやインパクトのある表現、また「芝居・音楽・絵画などを通じて自分自身をパワフルに表現しているところに“一人間”としての輝きがある」として高く評 価された。

【当事者部門】 執行泉(しぎょういづみ)さん 〈福岡県福岡市〉
当事者による障害者雇用を実践 餃子専門店黒兵衛・㈱いづみカンパニー代表取締役

発達障害と診断されたのは2010年、45歳のとき。長年、自身の障害に気づかぬまま2003年、経営する餃子専門店で障害者雇用実習の受け入れを開始。 周囲の協力などを得ながら、統合失調症、発達障害、知的障害をもつ人々の雇用を実現した。発達障害と診断された後は、自らの障害を特性として活かした経営 戦略をとり、2011年より障害者雇用のノウハウを他企業に伝授する「ノウハウ移転事業」を始動。独自の発想で障害者雇用を一事業として成立させている点 にインパクトがあり、地域の人気店として社会的評価を得ている点や、その取り組みを他地域にも広げようとしている発展性が高く評価された。

 

【支援者部門】 阪井ひとみ(さかいひとみ)さん 〈岡山県岡山市〉
精神障害者が地域で暮らすために部屋を提供する不動産会社社長
NPO法人おかやま入居支援センター 理事 / 阪井土地開発株式会社 代表取締役
住まいが見つからないことが理由で、長期の入院生活をおくる精神障害者らのために、18年前から入居支援を行っている。現在およそ450人の精神障害者を 自ら管理するアパートで受け入れ、家族の支援が受けられない人でも自立して、地域で安心した暮らしができるよう、行政や弁護士、医師、看護師、社会福祉士 らと連携しながらサポートしている。生活の基盤となる住居の支援は当事者にとって心強く、入居後のサポートも行っている点、またその活動が他の不動産関係 者に対する精神障害者への啓発につながる点が高く評価された。

 

【支援者部門】 YesNet(四日市早期支援ネットワーク) 〈三重県四日市市〉
四日市市の教育委員会・保健所・医療機関が連携して子どもの心の健康を支援

子どもの心の健康をサポートするために四日市市の教育委員会、保健所、医療機関が2009年6月よりネットワーク(YESnet)を構築し、児童・生徒だ けでなく、教職員や保護者への啓発、相談などに取り組んでいる。“学校ができること”、“関係機関ができること”を整理することで、適切な支援の方向性が 見えてくるという。教育委員会をはじめとする教育・保健・医療3機関が地域で連携して子どもをサポートする体制は、全国的にも珍しく画期的で、子どもたち の心の健康を多方面から支援する窓口を設けている点や、若者に対する心の健康づくり・セルフケアの啓発などが高く評価された。