第6回 精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)


 

特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)は、平成22(2010)年2月20日(土)東京都内にて「第6回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)」の表彰式を開催いたしま した。
表彰式では、受賞した1名・1団体の皆さんへ表彰状と副賞(100万円)を授与し、受賞の喜びの言葉に続き、活動の様子が紹介されました。
また、当 日は「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウムも併せて開催いたしました。

リリー賞は、「精神障害へのアンチスティグマ研究会(代表世話人:佐藤光源、東北福祉大学大学院教授)」が日本イーライリリー株式会社の協賛を得て 2004年から行ってきたもので、このたび、同研究会の要請を受けコンボが引き継いで実施することになりました。
リリー賞を通じて、精神保健福祉に貢献さ れている方々の活動を社会に広く紹介し、精神障害(特に統合失調症)への理解を深める一助となることを目的としています。

第6回 精神障害者自立支援活動賞(リリー賞) 受賞者

今回、過去最多となる84組の応募の中から、厳正なる審査の結果、個人では佐野卓志さん、団体では「心の病と共に生きる仲間達連合会キララ」の受賞が決定いたしました。
審査は、(1)当事者主体の取り組みであるかどうか、(2)活動の独自性、(3)社会や医療、保健、福祉へのインパクトを基準に選考が行われました。

佐野卓志さん(愛媛県松山市)

大学在学時に統合失調症を発症。治療を続けるとともに、1989年に仲間と「障害者自立の店ムゲン」をオープ ン。2004年には精神保健福祉士(PSW)に合格、2005年に「統合失調症とわたしとクスリ」、「こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の 往復書簡」を出版。
現在、NPO法人「ぴあ」理事長。精神障害者メンバー約30名、指導員2名で「ルーテル作業センタームゲン」を運営。
佐野卓志 さんは次のように述べています。
「受賞本当にうれしく、いままで協力してくれた仲間のみんなや、とくに支えてくれた奥さんのおかげだと深く感謝の気持ちです。この4月からムゲンは地域活 動支 援センターから就労継続支援B型に移行しますが、職員も増え、ぼく達が引退しても、弟や職員が後を継いで、さらに発展させてもらえるものと思います。でも まだ最低5年くらいはぼくもムゲンに居続けようと思っていますけれど。」
心の病と共に生きる仲間達連合会キララ(岩手県一関市)

2004年設立。地域で唯一のシンポジウム「明るく生きる精神保健シンポジウム」を毎年企画実施するほか、心の病気についての理解を深め、苦手なことに対 応する力を身につける講座「きらリン講座(患者向け講座)」を主催するなど、精神障害への理解促進に向けた活動を展開。
2006年に精神障害者を中心メンバーとした演劇集団「キラりん一座」を旗揚げ、脚本作りからキャスト、スタッフなどすべての活動を当事者とボランティアが行っている。2009年は3作品を作り上げ、4回公演。
心の病と共に生きる仲間達連合会キララの皆さんは次のように述べています。
「障 がいを抱えてしまった私達は、一緒に取り組める仲間を得て、自分を表現できるようになりました。賞を頂戴し、喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。私達が輝 くことで地域に精神障がいへの理解を広めると共に元気を伝えたい!と楽しみながら 活動してきました。これからもどんどん楽しい活動を生み出し、“心の病と共に生きる”活動を広げ、地域の皆さんと共に頑張りたいと思います。」