「脳は運動を求めている」これまでの連載内容(2024年8月現在)


2023年9月号 運動と脳の栄養(第2回目)
●運動すると、筋肉や肝臓、血管から成長因子が放出されます。
●成長因子が血液を通じて脳に運ばれ、脳の栄養として機能します。
●成長因子の作用により、様々な脳機能が向上します。


2023年10月号 脳への影響:有酸素運動対筋トレ(第3回目)
●有酸素運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)を刺激。
●筋トレはインスリン様成長因子-1(IGF-1)を活性化。
●有酸素運動と筋トレの組み合わせが最大の効果をもたらします。


2023年11月号 短時間の運動でも脳力アップ(第4回目)
●短時間の運動が記憶力と海馬の機能を向上。
●4分間歩くだけで創造的思考力が上昇。
●2階分の階段を上ることで創造的思考力が上昇。


2023年12月号 気分がすぐれないとき運動で心をリフレッシュ(第5回目)
●気分がすぐれない時、対処法として多くの人が運動を選び、運動後の気分向上が
最も顕著です。
●運動時にエンドルフィン等の物質が放出され、多幸感を引き起こします。
●定期的運動は、慢性ストレスによる脳や心の健康へのダメージを改善します。


2024年1月号 運動で心を強くしよう(第6回目)
●運動がストレスの事後対処だけでなく、その影響の予防にも効果を示す
●12週間のランニング後にストレス反応が緩和される
●運動はストレス対処の神経機序を強化する


2024年2月号 脳機能向上の鍵となる中高強度運動の効果(第7回目)
●より全面的かつ持続的な脳機能の改善を目指すなら、中高強度の運動がすすめ
●1日に30分以上の中強度運動、または15分以上の高強度運動が理想的
●運動を全くしないよりも、少しの運動でも効果がある


2024年3月号 運動を日常の一部にしよう(第8回目)
●日常活動の中で運動機会を見つける
●少しの時間から運動を始めることが重要
●自分にとって無理のないペースで、楽しみながら運動を続けよう


2024年4月号 自然の中で運動しよう(第9回目)
●Green Exerciseとは、緑豊かな自然の中で行われる運動です。
●Green Exerciseは、都市や屋内で行う運動よりも、心身により良い効果をもたら
します。
●この利点は、運動の健康効果と自然環境のリラックス効果が組み合わさることに
よるものです。


2024年5月号 認知や協調性をきたえる運動のおすすめ(第10回目)
●単純な運動よりも、認知能力や協調性を鍛える運動のほうが、脳により良い効果
をもたらします。
●認知能力や協調性を鍛える運動の例として、スポーツやダンスがあります。
●認知能力や協調性を鍛える運動では、比較的低強度であっても良い効果が得られ
ます。


2024年6月号 水泳や水中運動のおすすめ(第11回目)
●水泳や水中運動は、水の抵抗に克服するために消費カロリーが増加します
●水泳や水中運動は、全身の筋肉を効果的に使います
●水泳が精神的な健康にも良い影響を与えることが報告されています


2024年7月号 マインドボディ運動のおすすめ(ヨガ・太極拳、炎症・酸化ストレス)(第12回目)
●精神的ストレスが免疫力を低下させます
●その背景には、炎症性サイトカインの増加が関わっています
●太極拳やヨガといったマインドボディ運動が、炎症性サイトカインを低下させる
効果があります


2024年8月号 だれかと一緒に運動しよう 孤独対策・家族との運動(第13回目)
●ひとりで運動するよりも、誰かと一緒に運動したほうがより効果的です
●誰かと一緒に運動することで、モチベーションが向上します
●運動中の社会的なつながりが、孤独感を減少させます


2024年9月号(予告)治療プログラムとしての運動療法の現在(第14回目)
●精神科臨床では、現時点で薬物療法や精神療法を行わずに運動療法のみを推奨す
る治療ガイドラインはありません
●比較的軽症の高齢者のうつ病に対しては、運動療法が推奨されています
●認知症の認知機能障害や日常生活動作の改善に、運動療法が推奨されています