診断への疑問と苦労(本人)


「こころの元気+」2015年2月号(96号)より  →『こころの元気+』とは


特集2「診断への疑問と苦労」より

〝すごい〟診断
(茨城県)いつも・ぽこ・あ・ぽこさん

 通院に不便な遠方の病院から、近隣の病院への転院を検討しているときのある総合病院の精神科でのこと。
 転院の相談をするつもりで受診しました。受付で3種類ほどの質問紙に回答して提出するよう指示され、診察に呼ばれるのを待ちました。
 初診担当は精神科のトップの医師でした。
 親も同伴で入室しましたが、椅子に座るなり、「テストの結果から、あなたは精神病ですが、治療しても治りませんので、治療する意味はありません」との一言で、診察終了。
 対面しての質問など1つもなく、治らない精神病だと断言され、その態度に不信感と怒りいっぱいで帰宅しました。
 後日、あまりにひどい医師(病院)に対し、怒りをかかえたまま、通院先の主治医にそのできごとを報告。
 すると、
「その先生すごいね~。質問紙の結果を見ただけで〝精神病だ”って診断できて、しかも治らないってわかるなんて」
と、私の怒りをはぐらかしつつ、主治医もあきれていました。


最初の医師が
(千葉県)倉田真奈美さん

 OL時代に発病してかかった医者がひどかった。
 不眠や自殺企図があるのに不安反応とだけ診断して、薬は1日30錠ほど出して薬漬けにされました。
 今の病名は統合失調感情障害です。
 どう考えても、誤診というか、見たてが甘かったと思います。自分も精神科の知識がまったくなかったし、医者にすべて任せていたのもよくなかったと思います。
 最初の医師がよくなかったので治療が遅れ、再発しては悪化して慢性化しました。感謝するのは、後で障害年金を受給する際、初診の書類を書いてくれたことかな?
 いやあ、ひどい目にあいました。


ほぼ全員に同じで
(茨城県)まゆかんさん

 私が初めて精神科を受診したのは、不眠とうつが出始めた高校2年生のときでした。
 母が近所で評判がいいという理由で決めたHクリニックのH先生は、私の訴えはほとんど聞かず「アダルト・チルドレン」という病名でもない関係性の傾向を指摘。
 専門書を買わせて、母に
「このままでは娘さんは自殺するから一人暮らしをさせなさい」と進言。
 そして患者同士でつらかった子ども時代を再現するプログラムに親子で参加するよう勧めました。
 結果、症状はよくなるどころか悪くなり、これを機に親子仲まで悪くなり、一人暮らしでは不幸な事故に巻きこまれ…。
 聞けばH先生は患者のほぼ全員に同じことを言っていたそうです。
 現在の主治医はこの時期に統合失調症を発症したという見解で、きちんとした服薬と療養をしていれば…と今もくやまれます。
 こちらの医者選びもよくなかったのかもしれませんが、安易で画一的な診断はこりごりという感じです。