特集1 働けなくなったときの過ごし方(234号)


特集1
けなくなったときのごし(234号)

○「こころの元気+2026年8月号より
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筆者林 輝男
社会医療法人清和会 西川病院 理事長



3つのステップ

休職中は誰もが不安やあせりを感じるものです。
「同僚に迷惑をかけているのでは」と頭の中で仕事のことばかり考えてしまう方も多いでしょう。
そうした状態に対処し、安心して休養をとるために、次の「3つのステップ」を意識することをお勧めします。

ステップ1:「心のスイッチ」をオフにして休む

最初のステップは、とにかく「しっかり休む」ことです。
物理的に職場から離れても、心理的に離れることは簡単ではありません。
そのため、職場との連絡方法や頻度についてあらかじめ確認し、連絡が多すぎないようお願いしておくことが大切です。

この時期に注意していただきたい点は、ある程度「生活のリズムを保つ」ことです。
仕事がなくなると昼夜逆転になりがちですが、気分転換は日中に行い、夜は眠るようにしましょう。

気分転換の方法は人それぞれです。
自分が楽になる、心地よいと感じる方法を優先すればいいのです。
「こうしなければ」と考えすぎないことが回復への近道です。

ステップ1の期間は人それぞれですが、外来通院で気分転換の活動ができるくらい余裕が出てきた方の場合、1〜2週間程度で早めに次のステップへ移るほうが、その後の経過はよいようです。

ステップ2:不安やあせりを誰かと分かち合う

少し休めるようになると、おそらく今後のことに対するあせりや不安が出てきます。

ステップ2は、そんな自分の今の気持ちについて誰かと話す時期です。
一人でかかえこまず第三者に聞いてもらうことが大切です。

ご家族や友人、主治医、復職リワークのスタッフと話すのもいいでしょう。
それまで関わってくれた支援者や就労関係機関(障害者就業・生活支援センター、ハローワークなど)のスタッフと話すのも一考です。

あせりのあまり、まだ本調子ではないのに復職を急ぎ、かえって休職期間が長引くことがあります。
特にご家族や自分をよく知る支援者などからの客観的な声に耳を傾けることは、とても大切です。

ステップ3:働き方をふり返り、「次」を一緒に考える

気持ちが落ち着いてきたら復職、あるいは退職・転職について具体的に考える時期です。

ここで大切なのは、
「今回の職場で何が起きたか」
「自分がどう対応したか」をていねいにふり返ることです。
誰かと一緒にふり返れると、よりよいでしょう。

「今回の仕事でよかった点は?」
「苦しかった点は?」
それらをしっかり整理します。

復職の場合

「職場にどのような配慮をしてほしいか」
「自分は何を心がければいいか」
を整理して、職場と共有します。

自分一人で話し合うのが重荷なら、支援者などの第三者に同席してもらうのもよいでしょう。

退職・転職の場合

今回のよかった点と悪かった点を確認して、
「自分に合った仕事は何か?」
「働き続けるのをむずかしくした要因は何か?」を考えてみましょう。

心身の状態だけでなく、勤務時間や仕事内容、人間関係などさまざまな要因があげられます。
「次はどんな環境だと働きやすく、やりがいを感じられるか?」という視点で仕事を探すことが重要です。

一人で探すより、相談者とともに考えるほうが、長く続けられ、元気をもらえる仕事に出会える可能性が高いと思います。

どんな経験も

休職中にはあせりや不安がつきものですが、この3つのステップを意識して気持ちを整理してみてください。

仕事にはつらい体験もつきものですが、どんな経験からも必ず学び、次に活かせるものがあります。
それを拾い上げて次へのステップにつなげ、ご自身の成長につなげていくことを大切にしていただきたいと思います。

 


○「こころの元気+2026年8月号より
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