特集1
ひきこもりながらできたこと(228号)
○「こころの元気+」2026年2月号より
○申込について ○申込はこちら
○228号へ戻る
家にいる時間の中で、「これならできた」「少し変われた」と思えた体験談。
小さな工夫や気づきを教えてもらいました。
▼雨戸を開けて
いちさん(千葉県)
41歳、うつ病とASD(自閉スペクトラム症)の男性です。
家から出られなかった20代の頃、あるときふと、それまで朝も晩も開けっぱなしだった部屋の雨戸を閉めてみたことがありました。
翌日の朝起きて雨戸を開けると、目の前が開けるように明るい朝の光が差しこんできて何だかうれしかったのを覚えています。
それ以降、夕方には雨戸を閉めて朝には起きて開ける生活に戻れました。
同時に家族には、起きて目が覚めたことを開け閉めの音で知らせられるようになり、朝起きて、改めて太陽の光を浴びるようになりました。
不思議なもので、雨戸を開けるようになると、朝の光がつらいものではなくむしろ1日の始まりを知らせる心地よいものになったのです。
夜の暗い部屋から、雨戸を開けて光を入れ、朝の明るい部屋になること自体に意味があるのかもしれません。
それからは、朝雨戸を開けて陽の光を浴びるのも習慣にし、なぜかそれ以降少しずつうつがよくなっていった記憶があります。
雨戸の開け閉めというささいなことですが、それも回復の1つの過程だったのかもしれないですね。
▼犬がいたことで
たこさん(静岡県)
私は50代女性です。
双極性障害でデイケアに通っています。
ひきこもっていたとき犬を飼っていました。
父が拾ってきたのですが、世話は私がすることになりました。
近くに行くと目が合います。
うれしくてふさふさの茶色の毛をなでていました。
しっぽをふるので、あったかくてやさしい気持ちになれました。
毎日散歩に行きました。
夜型だったのですが一緒に歩くのが楽しくなってきました。
犬と歩くのが習慣になり、家族と話すことも増えました。
夏は毛がぬけて少しやせたようになり、名前を呼ぶとこちらを向きます。
可愛かったです。
ひきこもっていたけど犬がいたことで、父と妹と山に散歩に行きました。
楽しかったです。
藤の花を見に行ったり、一緒に走ったりと行動範囲が前より広がりました。
私は犬に外に出してもらった貴重な体験をしました。
そして家族ともコミュニケーションが前より増えてよかったです。
「支えてくれてありがとう」と言いたいです。
▼小さな完了
TAKAHITOさん(京都府)
私がひきこもりの中で「これならできた」と感じられた小さな体験は、「誰にも見えない場所で、手を動かして何かを完成させる」ことでした。
「動かなければ」とあせるほど動けなくなり、自己嫌悪におちいる日々でした。
そこで私は、完全に自分だけの領域を持つことにしました。
具体的には、スマホのアプリで複雑なパズルやドット絵を少しずつ完成させることです。
ドット絵のピクセルを1つひとつ埋めていく作業は、乱れた心の中を整理していくような感覚に近かったです。
パズルが完成したとき、「自分にも何かを最後までやりとげる力があるんだ」と、目に見える達成感を得られました。
この「小さな完了体験」をくり返すうちに心が軽くなり、
「今日はカーテンを開ける」
「家族と一言だけ話す」という次の小さな行動にもつながるようになりました。
「動かない自分」でもできる「小さな完了」を積み重ねることが、私にとって大きな支えになっています。
▼他の方の「ひきこもりながらできたこと」からも一部ご紹介します
●文章を書く
●メール、料理
●夜中のテレビ、ノートに思いを綴る
●自分の言葉で発信
●レコーディングダイエット、筋トレ、日記
●ひきこもりからぬけ出せる方法を箇条書き
●勉強と家事
●トレーニング
●ゲーム、音楽、イラスト、マンガ、小説を書く













