パチンコ依存に悩んでいます


 Q 私は統合失調症で二八歳です。私には、病気以外に深刻な悩みがあります。それはパチンコ依存症です。パチンコに行くお金があるときはよいのですが、行って負けてお金がなくなり、次に行くお金がなくなると、自分の持っている物を売ったり、家中を探してお金を持ち出してしまうのです。過去には、支給された一か月の年金を使いはたす寸前になったこともありました。何度もこれじゃだめだと思い、依存症の本を読んだりして試すのですが、なかなかうまくいきません。
主治医からは、このままでは年金をストップするぞといわれました。それでも一週間は我慢できましたが、誘惑に負けて行ってしまいました。家族は、パチンコの広告が私の目に入らないように、いろいろ工夫してくれますが、だめです。行きたくなったときにのむ頓服ももらっていて、のむと行きたい衝動はおさまるのですが、のむ暇もなく家を出てしまうことが多々あります。
パチンコに行くと、必ず収支はマイナスになるのがわかっているのに、たまに勝ったときの喜びが癖になってやめられません。負けたときには、被害妄想に陥り不安定になりますが、次の日には忘れています。この病気の回復期に、パチンコに依存する傾向にあると聞いたことがあるのですが、これは私だけが特別なのでしょうか? 対処法を教えていただきたいのです。

A 苦しむことも改善への道/富山恵梨さん(神奈川県)

 依存だと自覚できていることが、回復への第一歩だと私は強く思いました。私は、入院時の担当医から薬物依存だと告げられました。睡眠薬でした。自覚など、まったくできませんでした。睡眠薬では眠れず、とにかく量を増やしていきました。眠れるのだったら、自己判断でいろいろな薬を一度にのみ、何十錠のんでいたのかもう記憶にありません。ほぼ、OD(薬をたくさんのんでしまうこと)の毎日でした。眠りが深すぎて夜尿症になっても、睡眠薬はのみ続け、やめることはできませんでした。眠れることが大事だというのを通り越して、心も身体も支配されていました。私は、改善はしましたが治ってはいません。断薬され、家族には薬を隠されました。もう二度とODはしない、したら病院に運ばれて点滴代とかお金がかかってしまうし、何よりまわりが悲しむよね、そう思っていてもかばんにこっそり薬を隠してはのんでいました。

依存は、その場限りの快楽の感情の連続だと思います。病気になられ、症状やお金や現実の圧力に追い立てられる日々の暮らしのなかで、何かを埋めようとして依存というカタチになったのかもしれません。改善するには、苦しむことです。やめればいい、そんなアドバイスは求めていないように思います。私は、自分自身のわがままな気持ちに問いかけました。いつも思っていたのが、どうやって生きよう、生きるのがめんどうくさい、ここで問い方を変えてみるのです。なぜ、生きるのか? と。
 自分を律しようとする考えとの葛藤が生まれ、疑問に苦しむようになるはずです。依存の苦しみを、別の苦しみに変えていくことから、始めてみてはどうでしょうか?