どうしたら病気を受け入れられますか?


Q 私は三四歳の男性です。私は、銀行で働いていました。いわゆるエリート社員というやつでしたが、職場のなかでの人間関係が悪化したり、職場の女性との結婚の破綻などが原因で、仕事ができなくなり、そのうち出勤できなくなりました。最初は精神科に行くことはどうしてもできませんでしたが、上司が付き添ってくれたので、病院に行くことができました。
診断の結果はうつ病でした。その後、結局は一年間も休職しましたが、職場を辞めざるを得なくなりました。そんな状況にあっても、私はいまだにうつ病であることを受け入れることができません。薬も効いている気はしないので、たまにのんでいる程度です。眠れないことが多いので、睡眠薬だけはのんでいます。自分のプライドの問題だと思うのですが、病気を受け入れたり、福祉的なサービスを受けることは、今までの自分を否定するような気がして、怖いのです。そんなとき、たまたま「こころの元気+」で他の人の体験談を読みました。
皆さん、病気を受け入れているようですが、病気を受け入れないとよくならないものでしょうか。どうやったら受け入れるようになるのか知りたいです。よろしくお願いいたします。

A 知ることから始める/小松達也さん(千葉県)

 「知る」ことから始めてはどうでしょうか? 受け入れられないのは、「なんだかわからない病気」という意識があるからではないですか?自分を知ることが大切です。「自分を知る」というと病気だけを見てしまい、自分=病気だと思ってしまいがちですが、それは違います。病気があってもなくても貴方はあなたです。

「病気は自分の一部」ということです。質問者さんは「受け入れることは自分を否定すること」とおっしゃっていますが、「病気は貴方ですか?」それとも「病気も貴方ですか?」。私は病気も自分の一部だと気づけたときから、病気についてより正確な知識を求めました。科学的・医学的に知ることで、自分を説明できるようになりました。なんだかわからなかった病気が知識を得ることで、理解し説明できるようになったのです。わからないものは怖いのです。初対面の人のことはよくわからない。誰だって始めて会うときは緊張し、勝手な先入観をもつものです。
しかし、月日を重ね、相手を理解しようと努めていく(努力しないといつまでも理解はできないでしょう)と、「あの子は、○○のような子」とわかっていきます。同じことが病気にもいえると思います。理解を深めれば再発の予兆にも気づくこともできるようになるでしょう。そして何より、「知る」ことで受け入れられるようになると思います。