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SSTで広がる人と人の輪


コンボのトップページへ戻る  2025年12月号「こころの元気+」より

どんなふうに伝えればいいんだろう?
〈連載について→コチラ〉 
第9回 
私なんか生きている価値がない(その2)


筆者:池淵恵美
神経科土田病院/帝京大学名誉教授
 


(前回の内容) ※2025年11月号は→コチラ
幸子さんは20歳の頃統合失調症になり、ずっと自宅で過ごしていました。
最近、毎日夜中に外出し「生きていても仕方がないから道路の真ん中を歩いて車にひかれたい」と言うため入院となりました。
まわりの人に「きらわれている」と感じて死にたくなることがわかり、違う見方を見つける練習をしました。
その後、夜中に自分で病院に戻ってきたときに「大成功だったね」とほめてからは、夜中の突然の外出はなくなりました。

 

 


生活の目標を見つける

幸子さんはずっとひきこもりの生活だったので、生活の目標が見えなくなっていました。

ご両親や病棟スタッフを交えた練習で、筆者が封筒を用意して、まずはスタッフに、「この封筒に3万円入っています。何かやりたいことに使ってください」と手渡すと、「夜勤が多くて疲れるので、温泉でゆっくりしてきます」と話しました。

順番になった幸子さんは、「友達とディズニーランドに行って、ミッキーに会いたいです」とこたえました。
昔好きだったことをやってみたい気持ちになったのでした。

その後も…

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