→コンボのトップページへ戻る ▼2025年10月号「こころの元気+」より
本や映画などの紹介コーナーです。最終回
統合失調症の一族
遺伝か、環境か
著:ロバート・コルカー
発行:㈱早川書房
定価:3740円(税込)
オススメの筆者:丹羽大輔(コンボ)
私は30年近くメンタルヘルスの仕事に関わってきました。
その中で、数多くの統合失調症研究の成果に触れてきましたが、本書には、それらの研究がいかにして生まれたのかという背景があざやかに描かれており、読み進めるほどに胸の奥深くからこみあげるものがありました。
本書はアメリカ・コロラド州に暮らすギャルヴィン一家という大家族の歩みを描いたノンフィクションです。
12人きょうだいのうち、何と6人が統合失調症を発症しました。
物語は両親の出会いから始まり、1950年代から現代までの半世紀以上にわたる家族の軌跡をたどっていきます。
家族が直面した困難や悲劇を追いながら、精神医学の歴史や「遺伝か、環境か」という長年の問いをめぐる研究の進展が織りこまれ…