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減薬という旅の彼方に2


第12回
気分安定薬
著者:小林和人(特定医療法人山容会理事長・山容病院院長)
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今回は気分安定薬について取り上げます。

おもに双極性障害に対して使われる薬で、簡単にいえば躁状態、うつ状態の両方を防ぐ効果があります。
双極性障害の人が抗うつ薬をのむと躁転しやすいので、気分安定薬で治療するのが基本です。

実際の臨床場面では、躁状態は台風のように過ぎ去っていくのに対して、
うつ状態には気分安定薬が効かず、長引くうつによって生活の質が下がるケースが多いです。
双極性のうつの薬物療法は、精神科では長年の課題です。


▼注意すべきこと

抗てんかん薬が、気分安定薬として使われることが多いため、しばしば混乱が起きます。

てんかんをおさえるための投与であれば、簡単に薬を変えたり止めたりすると、発作が再発してたいへんです。
気分安定作用を目的とした投与であれば…

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