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減薬という旅の彼方に2


第9回 抗精神病薬について⑶
著者:小林和人(特定医療法人山容会理事長・山容病院院長)
(☆前回の連載目次→コチラ)

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あけましておめでとうございます。
抗精神病薬は統合失調症や躁状態の治療に承認されている薬で、定型抗精神病薬(定型薬)と非定型抗精神病薬(非定型薬)とに分けられます。
新年の今回は、非定型抗精神病薬(非定型薬)の話の続きです。

非定型薬にも併用の問題はあります。
単剤(1種類)で十分な効果が得られないために、効くしくみが異なる非定型薬を組み合わせるケースは一定数ありますが、
循環器系副作用など定型薬の時代から続く問題に加え、
代謝系副作用が強まる、
薬価の上昇
などの問題も生じます。

よほど大きなメリットがない限りは併用療法を避けるべきです。
基本はあくまで単剤投与です。


SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬(拮抗薬)

ドパミンだけでなくセロトニンも遮断することで、陽性症状の他、陰性症状にも効果があるといわれます。
錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう:手の震え、よだれが多くなるなど)は定型薬よりも少ないです。

ただし量が多すぎると抑うつが出てやる気が落ちたり、定型薬同様に性機能障害が起きたりする危険があります。
思考力が落ちるとうまく相談できないし、性機能障害は言いにくいので、どうしても見落とされやすいです。


▼リスペリドン(リスパダール他)

リスペリドンは、添付文書上1日12㎎(※CP換算値1200㎎)まで投与が認められますが、実際は6㎎までに留めるのが理想です。
それを越えるとドパミンを遮断しすぎて錐体外路症状を起こす恐れが強いためです。
日本で発売された非定型薬の中では…

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