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境界性パーソナリティ障害とつきあう


146回  (※過去の内容は→コチラ)
トラウマインフォームドアプローチ(TIA)(15)
BPDの家族支援でのTIA(15) 
トラウマと効果的につきあうための心理教育の一例

コンパッションとセルフ・コンパッション①

 

著者:遊佐安一郎長谷川メンタルヘルス研究所 所長)

 

前回と前々回の10月号と11月号で耐性の窓(※)を広げるものの例として、
チベット仏教のダライ・ラマ14世が、
「自己と他者の苦しみを感じ、それを取り除こうとする深い関与であり、他者に愛情を示し、助けようとすること」
と定義しているコンパッション(compassion)について話しました。
(※耐性の窓:交感神経と副交感神経のバランスがとれていて、ストレスに対応できるような状態)


また家族スキルアップグループで、
身内のBPD(境界性パーソナリティ障害)の当事者の苦しさをやわらげられないだけでなく、
そのために当事者から強く非難され自らも苦しい体験をしている参加者が、
他の参加者の苦しみを感じ、慈しみ、苦しさがやわらぐように互いに関わる様子を報告しました。

グループで、他の参加者からのコンパッションを感じることが耐性の窓を広げるだけでなく、
他の参加者にコンパッションを感じて自ら関わることも自分の耐性の窓を広げる影響があると、
私にはグループ内のやりとりを見ていて感じられることが多々あります。

 

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