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特集8〝一歩が出ない”人にどう寄り添うか


コンボのトップページへ戻る  2025年10月号「こころの元気+」より

筆者亀山由紀・高田俊彦
一般社団法人 Q-ACT
Q-ACT北九州 ケースマネージャー


私達は、動き出すことに悩みや迷いをかかえている方と関わる機会が多くあります。
今回ご紹介するのは、自閉スペクトラム症のAさんとの訪問支援を通じた2年間の歩みです。

当初の状況

支援のきっかけは、母親からの相談でした。

同居中の息子(以下Aさん)と3年間、会話がなく、通院時にはAさんが「息が苦しい」「足に力が入らない」と訴え、母親が車椅子を押してつきそっているとのことでした。
生活の中で何がきついのか、何を望んでいるのか
――その思いを受け取ることもむずかしい状況でした。

訪問開始当初、母親はAさんに「Aちゃん、読んで、読んで」と、まるでAさんが幼い子どもかのように声をかけることがありました。
Aさんはすでに成人していますが…

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