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家族のストーリー


104回  
ただ生きているだけ 
(※過去の内容は→コチラ)


筆者:ありんこさん(母親)埼玉県

 

ただ生きているだけ

これは祖母からときどき聞いた言葉です。
学生時代、休暇で実家に帰ったときに、また社会人になり、結婚して子どもが生まれ、祖母にとってはひ孫にあたる赤ん坊を抱いて帰ったときにも。
「どう? 元気?」と問いかけた返事がこの言葉でした。

その頃私は自分のことでいっぱいで、「生きる」ということは意義のある何かをすること、日々世界を切り開いていくことでした。
長い人生を生き、静かに老いを過ごす祖母の言葉の意味を深く考えもしませんでした。
母も同じ言葉を口にしていましたが、そのときにも「私はそう言うまい」と思っただけでした。
 

生きていることが仕事?

この言葉に再び出会ったのは、何年も経ってから、高森信子先生のDVDを通してでした。
「この病気の人は生きていることが仕事なんですよ」という言葉に…

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