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身体・脳・こころを整える 知っておくべき身体合併症


第10回 (※連載について→コチラ)

口の渇き、頻尿・多尿と精神疾患(読者アンケートより)

 

著者:尾崎紀夫(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
 

尾崎先生より:当事者・ご家族へ。精神医学研究へのご意見・ご希望をぜひお寄せください。
http://prenatal.nupsy.jp  (ログインID:nagoya-u パスワード:sk25ugsk を打ちこんでログインしてください)


今回のポイント  

◦口渇、頻尿・多尿で悩む方は多い
◦口渇は、過剰な不安や薬の副作用による唾液分泌減少、リーマスの副作用による多尿から生じることがある
◦過剰に水分をとると頻尿・多尿が起こるが、とり過ぎると血液が薄まり、脳細胞に影響を与え、危険な状態にもなりうる
◦口渇、頻尿・多尿は糖尿病や多くの身体疾患のサインでもあり、検査を受けることが大切

 



読者アンケートより

連載内容、および昨年2022年の「こころの元気+まつり」のためにアンケート調査へご協力いただき、大変ありがとうございました。

アンケートでは「気になる身体の症状」をお聞きしましたが、約70%と最も多かったのが「おしっこに行く回数が多い(頻尿ひんにょう)」でした。
口の中が渇く(口渇)」は約50%、「おしっこがたくさん出る(多尿)」は約35%の方が選んでいました。

また
「口渇は糖尿病によるのか、向精神薬の副作用か?」
「水の飲み過ぎで血液が薄まると、突然死も起こるのか?」
「精神疾患は泌尿器に影響を与えるのか?」
「薬で喉が渇きやすくなるのか?」
といった質問もありました。

そこで今回は、これらの問題を説明します。

 

精神疾患と「口の渇き(喉の渇き)」と「水分の摂取」

我々の脳は、何か困った(生命の維持に関わる)ことがあると、その状況を解決するための身体の反応を引き起こします。
たとえば体内の水分が減ると

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