→コンボのトップページへ戻る ▼2025年9月号「こころの元気+」より
125回 長いトンネルをぬけて
(※過去の内容は→コチラ)
筆者: 鎌田めぐみさん(妻)愛知県
はぴねす・ラボ主宰 うつ家族セラピスト
▼突然に感じたうつの始まり
「玄関のドアが開けられない」
ある日突然、夫がそう言ったのが始まりでした。
重度のうつ病と診断された夫は、そのまま入院。
私は当時、2歳と5歳の子どもをかかえ、慣れないワンオペ育児と孤独に追われながら深夜のファミレスで働き、何とか暮らしをつないでいました。
あの頃の私は、笑顔を失い「ふつうの毎日」がどんどん遠ざかっていく感覚の中にいて、まるで、終わりの見えない長いトンネルを手探りで歩いているよう。
退院後も夫の不調は続き、自殺未遂を起こしたときには頭がまっ白に。
「私がもっとがんばっていれば」と自分を責め、
「私がいなければ…」と思い詰める夜が続きました。
誰にも話せず孤立し、不安に押し潰されそうな日々。
子ども達にふつうの生活をおくらせてあげられないことが、何より苦しく…