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壮大じゃない話


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第19〈連載について→コチラ 
今度は、虫が…

(この電子版には誌面におさめるために省略した文章も掲載しています)


筆者:星野概念(ほしのがいねん)

イラスト:蝦夷森千尋(えぞもりちひろ)

飛蚊症(ひぶんしょう)になりました。

胸を張って言えることではありませんが、僕は眼科領域のことにとてもくわしくありません。
自分でもなぜだかわかりませんが、学生の頃から眼に関連する知識が頭に入らず、国家試験でもウィークポイントになっていました。

視力は相当低く、乱視は相当強く、10代の頃から眼科にお世話になっているというのに、どうにもこうにも眼科的な学びになじむことができませんでした。
 

虫が飛んでいる

4月のある日、シャワーを浴びていたら、右の視野の端あたりに虫が飛んでいるのが見えました。
払っても、払っても、遠くに飛んでいってくれません。
かといって、虫に水をかけると致命的な攻撃になってしまうかもしれないので、それもできません。

水の中に居続ける度胸があるのか、僕が水をかけて追い払おうとしないのをすでに知っているのかわかりませんが、とにかく突然現れたその虫は視野から消えてくれませんでした。

不思議だったのは…

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