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壮大じゃない話


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第18〈連載について→コチラ 
複雑なバレンタイン

(この電子版には誌面におさめるために省略した文章も掲載しています)


筆者:星野概念(ほしのがいねん)

イラスト:蝦夷森千尋(えぞもりちひろ)

  診療では、小学生以上の年齢の人達と会います。
6歳の人やそのご家族と診察室で会う日の前日には、104歳の人が暮らす家に訪問させてもらったりすることもあり、98歳の年齢差の人達が確かに存在しているという事実に圧倒されることもあります。

自分よりもずっと高齢の人の世界観は、あまりに未体験なことが多く、想像するにもていねいさを極める必要があると感じます。

一方で子どもの世界観は、わからなくなっていることがたくさんあるのは間違いないのですが、その年齢を自分も経験済みなので、思いがけず大昔の自分の体験を思い出すこともあります。
恋愛で悩み、びっくりすることがあって学校にしばらく通っていない人と話していたときにも思い出した体験がありました。

 

小2のときの僕

僕はおそらく生来、何かに夢中になるとそのことばかり考えたくなる性質があると思うのですが、小学校2年生のときはずっと好きな人のことを考えていました。

入学した日に同じクラスで…

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