最終回 (2025/5/18まで動画を公開→コチラ)
第12回〈連載について〉
臨床研究は当事者・家族の困りごとの解決を目的にしています
筆者:夏苅郁子(なつかりいくこ)
やきつべの径診療所
ポイント
●臨床研究は当事者の困りごとからスタートします。
●病気の原因には個々の脳の働きが関与しており、さまざまな出来事や人間関係は発病の原因ではなくきっかけと考えられています。
●病気の原因解明、新しい診断法や新規治療薬の開発、個別化医療の実現には、遺伝子、脳画像や血液などの大規模なデータが必要で、当事者・家族・臨床医・基礎研究者が協働する研究の推進が求められます。
▼連載で伝えたかったこと 〈連載について〉
「診療に何か問題があり、当事者が困っておられる事態を解決するために臨床研究は行われていることを知っていただきたい」(第1回)という文章が、この連載の意図をはっきりと表しています。
たとえば性機能障害(第3回)や自動車運転の問題(第4回)が精神医学の臨床研究として取り上げられ、研究成果が当事者の実際の生活に役立っていることがわかります。
「研究」というと、特別なむずかしいことと思われるかもしれません。
しかし臨床研究を行っている研究者は、当事者・家族の困りごとに触発されて、研究へのモチベーションを高めます。
そのような地道な研究の先に、精神疾患の原因の解明(第6・7回)や新しい診断方法、新規治療薬や副作用の少ない治療薬の開発(第8回)があります。
ぜひ研究に関心を持っていただき、皆様のご意見をお寄せください(下記アンケートより)。
▼当事者・ご家族を対象とした精神医学の研究に関するアンケートオンライン調査
http://prenatal.nupsy.jp
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