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減薬という旅の彼方に2


第15回 最終回
20年の旅をふり返る
著者:小林和人(特定医療法人山容会理事長・山容病院院長)
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定型抗精神病薬の時代

私が大学病院で研修医だった頃は、まだギリギリ定型抗精神病薬の時代でした。
指導は統合失調症(当時は精神分裂病)を前提として行われました。
うつ病の人は少なく、自殺企図をきっかけに受診、入院していたように思います。

治療薬の選択肢が少なく、効果がみられれば副作用を我慢しながら継続、という感じで患者さんに服薬継続を促していました。
統合失調症なら錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう:薬の副作用による動作障害)は必ず起こり、抗パーキンソン病薬(以下、抗パ薬)を併用し、今度は抗パ薬の副作用が出て、便秘に対して下剤、かすみ目に対して点眼薬、という感じでした。

重症のうつ病には三環系抗うつ薬を出し、増量すると眠気が出て、患者さんには「うつがよくなるまでは我慢して」と伝えていました。
今ふり返ると…

 

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