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減薬という旅の彼方に2


第11回
抗パーキンソン病薬

著者:小林和人(特定医療法人山容会理事長・山容病院院長)
(☆前回の連載目次→コチラ)


パーキンソン病

パーキンソン病は、大脳の下にある中脳の黒質で、ドパミン神経細胞が減少して起こります。
60歳以上では100人に1人いると言われ、日本全体では15万人以上です。

おもな症状としては、
何もせずリラックスしているときに手足が震える、安静時振戦(あんせいじしんせん)
筋肉の緊張が強まり手足の動きが固くなる、歯車様固縮(はぐるまようこしゅく)
動作をなかなか始められず動作そのものも遅くなる、寡動・無動(かどう・むどう)
体のバランスを保てず転びやすくなる姿勢反射障害
があります。

その他に嗅覚障害、便秘、立ちくらみ、睡眠障害、記憶障害、幻覚などの非運動症状も見られることがあります。
ドパミンが減るという点では、統合失調症と反対のイメージです。


薬剤性パーキンソニズム

パーキンソン病と同じような症状を示す病態を
パーキンソン症候群(パーキンソニズム)」と呼びます。
原因は実にさまざまで、最近は画像診断の進歩によって、脳血管障害による脳血管性パーキンソニズムが増えています。

しかし、薬の副作用による薬剤性パーキンソニズムもいまだに多く、精神科医療の現場で決して見落としてはいけません。
抗精神病薬の副作用としてパーキンソン症状が現れれば、それは薬剤性パーキンソン症候群です。

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