→コンボのトップページへ戻る ▼2026年4月号「こころの元気+」より
筆者:向谷地生良 (むかいやち いくよし)
浦河べてるの家
▼幻覚&妄想大会
当事者研究の実践、とりわけ浦河べてるの家(以下、べてる)で始まった感動的ではげみになった幻覚妄想体験者を表彰する「幻覚&妄想大会」は、それまでの「幻聴や妄想=病的で消すべき症状」という常識をくつがえしました。
その体験を生きぬいてきた当事者の経験を学び、問い直すきっかけとなり、幻聴や妄想の「自分を助ける存在」や「大切なメッセンジャー」としての可能性を大切にする文化を生み出しました。
始まり
私達が幻覚や妄想に関心を寄せるようになったのは、一緒にべてるの立ち上げに協力したアルコール依存症の仲間が語る離脱症状にまつわる“抱腹絶倒”の幻覚妄想体験でした。
それを聞いた統合失調症をもつメンバー達が自分のユニークな体験を語り始め、依存症の人達の「私はアル中の〇〇です」というあいさつが、統合失調症をもつ人達の「全力疾走あわてるタイプの〇〇です」という自己病名文化へとつながりました。
一方、幻覚や妄想の多くは当事者に混乱や恐怖をもたらす体験であるため、専門家主導の治療や支援が優先されがちでした。
その結果…