→コンボのトップページへ戻る ▼2025年8月号「こころの元気+」より
回答者:坪井貴嗣
杏林大学 医学部 精神神経科学教室
漢方薬の基本的な以下のような質問に答えていただきました。
▼質問
Q32 漢方薬だけ、西洋薬と漢方薬とで精神科の治療ができるか?
Q33 漢方薬の「体質」とは?
Q34 漢方薬は妊娠中や授乳中も使える?
Q35 漢方薬に副作用はない?
Q32
精神科の治療を漢方薬だけ、あるいは西洋薬と漢方薬との組み合わせでできますか?
A
はい、状況によっては可能です。
精神科領域では、
①向精神薬が副作用などで使いづらい
②西洋薬だけでは症状の改善が不十分
③西洋薬だけでは効果はあっても副作用が残存する
このような場合に漢方薬の併用が検討されます。
たとえば不安や不眠、倦怠感、イライラ、胃腸症状、月経不順などの「こころ」と「からだ」の両面にまたがる不調に、
半夏厚朴湯や加味逍遥散、抑肝散、酸棗仁湯などが用いられることがあります。
最近では、治療抵抗性の統合失調症に抑肝散を加えた報告や不眠症に酸棗仁湯や抑肝散加陳皮半夏を併用することで睡眠薬の減量に成功した例なども…