→コンボのトップページへ戻る ▼2025年8月号「こころの元気+」より
回答者:菊地俊暁
慶應義塾大学医学部
精神・神経科学教室 准教授
薬の効果について以下のような質問に答えていただきました。
▼質問
Q13 信じてのむのと、いやいやのむので薬の効果は違う?
Q14 長くのむと効果が弱くなる?
Q15 効果がない場合、いつから薬を変えるのか?
Q16 効果がない場合、診断違いや病気でないのでは?
Q13
同じ薬でも、信じてのむのと、いやいやのむのでは効果は違いますか?
A
はい、違います。
これは「プラセボ効果(placebo effect)」や「ノセボ効果(nocebo effect)」と呼ばれる現象に関係しています。
●プラセボ効果
「プラセボ」は「偽薬」とも訳されます。
たとえ薬効のない薬をのんだとしても、「効く」と信じることで、一定の効果が現れることがあるのです。
そう聞くと「だまされているだけでは?」とか「気のせいでしょう?」と思うかもしれませんが、実はこれは科学的にも意味のある現象です。
前向きな気持ちで薬を服用すると、脳内の神経伝達物質が変化し、ストレス反応もおさえられることがわかっています。
結果として……