筆者:熊倉陽介
東京大学医学部附属病院 精神神経科 助教
▼死にたい、消えたい、刺したい、殺したい
「何で生きることを前提にしないといけないんですか?」
「死んだら何も残らないんだから、生きてる意味なんてないじゃないですか?」
職業柄、気がつけばそんな話ばかり聴いています。
「殺したい」
「本当にあいつを刺したい」
「車で人混みに突っこみたい」
「何で殺しちゃダメなんですか?」
希死念慮だけではなく、こらえきれない殺意を、ひりつきながら聴くことも少なくありません。
それでも人は殺されてはならないし、同様に、あなたも殺されてはならないはずではないでしょうか。
ギリギリのところで話し合いを続けます。
意味を問われる世界
「生きていても意味がない」
「何の生産性もない」
こうした言葉は強力です。
周囲を見渡せば見渡すほど…