戻る

特集7 離脱症状とは何か?


著者:稲田健
北里大学医学部精神科学 教授

 

離脱症状

離脱症状とは、薬も嗜好品も含めた精神に作用する物質を長期にわたって大量に摂取していた人において、血中あるいは組織内の物質(薬)の濃度が減少したときに生じる症状です。
通常は不快な体験なので、離脱症状が出た人は不快感を緩和するために、その物質を再度摂取する(のむ)ことが多くなります。

離脱症状は、体内の薬の濃度の変化によって生じますから、
薬を少し止めただけでも生じることはありますし、
時には薬を中止しなくとも、量を減らしただけでも生じることがあります。
 

どのような離脱症状を生じるのか?

どのような離脱症状を生じるかは、物質(薬)の種類によって大きく異なります。

アルコール(お酒)、
オピオイド(麻薬)、
GABA(ギャバ)受容体作動薬(睡眠薬・抗不安薬)
は比較的目立つ離脱症状を生じますが、
コカイン、ニコチン(たばこ)、大麻などは
離脱症状が目立たないとされています。

精神医療において…

 

戻る   続きを読むには賛助会員になってログインしてください。