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特集8 SOSを出さない、出せない人に対してできること


著者:佐藤さやか
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 
地域・司法精神医療研究部  臨床援助技術研究室長

 

SOSを出さない理由と支援側の問題点

困ったときにSOSを出す行動のことを「援助希求行動」と呼ぶことがあります。
Westbergら(※1)は、若者の援助希求について調べた複数の論文の内容をまとめています。
(※1:Westberg,K.H., Nyholm,M., Nygren,J.M., & Svedberg,P. (2022). Mental Health Problems among Young People-A Scoping Review of Help-Seeking. Int J Environ Res Public Health, 19, 1430. doi: 10.3390/ijerph19031430.)
 

この報告では、援助希求行動が起こりづらくなる本人側の要因として、
「自立した生活や心身の健康を、(他者に助けてもらうのではなく)自分自身で守りたいという強い希望」があげられています。
 

他方、支援体制側の問題点として、
「サービスにアクセスしづらく、利用者の援助希求に対して、反応が薄いとみなされていること」が指摘されています。

この論文から得られた結果は、若者だけでなく他の世代にも共通しているように思います。

 

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