親はもっと楽しんでほしい(本人)


こころの元気+ 2011年6月号特集より


特集4
親はもっと楽しんでほしい(本人から家族へ)

私は母の幸せの方が心配
岡山県
倉田真奈美さん


母とよく私の買い物にいきます。
ダイエットを兼ねて、ユニクロやイトーヨーカドーに歩いていきます。私のものばかり買うけど、この間は母もつられて春服を買いました。親子で買い物なんて何年ぶりかな? みんな母の小づかいで買ってくれます。

母は家事に追われて、自分を(まま母にこき使われる)シンデレラか、ばあやだと言っています。もっと自分の人生を楽しんだらいいのに、マイペースでわがままな父にふりまわされて、一日が終わります。

私のことを、不幸になっていくとかわいそうがるけれど、母が幸せになっていないようで、私にはどのことの方が心配です。
私は結構幸せだし、たくましいから大丈夫なんだけどなあ。
親にとって、子どもはいつまでも子どものようです。
母に買ってもらった春服を身にまとって人生再出発です!


親が元気なら、子も元気!
三重県
川北誠さん


僕は病気になって一六年です。
当初は、母との葛藤もありましたが、今ではお互いに人生を楽しんでいます。

母の楽しみは、年一回の海外旅行です。一週間ほど家をあけるので、その間は、僕が家を守っています。
母が、病気の僕を残して初めて海外に行ったときは、旅先から毎日電話してきました。それだけ、心配だったんだと思います。
また、食事も一週間分を用意してもらいました。

それが、最近の海外旅行では、母からの電話は行きと帰りの空港からのみ、僕の食事は自分でつくっています。
母にとっては、年一回の楽しみで、僕にとっては、一人暮らしの練習になっています。
一週間で母が帰ってくる前提なので、無理なく一人暮らしの練習ができます。

最近は母も高齢になり、海外はむずかしいと思ったのか、今年は北海道の雪まつりに行きました。
行きたいところは、全部行ってほしいと思います。
楽しみは、旅行に限ったことではないと思います。母は、よく友達と食事に行きます。
また、僕と兄夫婦を交えて、食事に行くこともあります。そんな日常のなかにも、楽しみを見つけてほしいです。

親が元気で飛び回っている方が、子が元気になるような気がします。
元気って、伝染するものだと感じます。