改善のコツ(本人)


こころの元気+2011年11月号特集より


「特集 なかなか症状がかいぜんしない」内の
改善のコツ


震災がきっかけで
埼玉県
ぽちかずさん


私の症状が改善し、よい状態でいられるようになったのは、2011年3月11日の大震災がきっかけです。
3月9日に医療保護入院をして、11日は保護室から個室へ移動した日でした。

3度の揺れの間に、両親が見舞いに来てくれていました。
会えたことで、すごく安心できたし、ありがたさを感じました。

その後、地震、津波、原発事故と続き、比べてはいけないと思いますが、自分よりもたいへんな想いをしている人がいる …。そんな想いが「自分もしっかりしなきゃ」と前向きに考えるようになりました。

ただ、この気持ちのしまりが切れて、元の状態にならぬようにやっていきたいと思います。


身をゆだねてみる
奈良県
榎田伸也さん


私は今、なかなか元気が出ないでいます。
ふだん通院している精神科だけでは変化がないので、思いきって「ペインクリニック」という、体の「痛み」をやわらげるクリニックに通い始めました。そこではツボ、マッサージなども実施してくれます。

何もかもいきづまっているときは、自分の力だけで何とかしようとしても限界があります。
そんなときは、思いきって他者に「身をゆだねる」ことも必要かと思います。
今は、少しずつではありますが、「ああよくなってきているな」と感じています。


家族会大会に参加して
岩手県
藤枝脩平さん


私の場合は、家族会の県大会に参加したことがきっかけでした。
当時、家族会がどういうものか知らなかった私は、しんみりと傷のなめあいをするんだろうなと思っていました。
ところが、当事者の体験発表では発表者の方々がとても元気そうに見えました。

病気なのに、なんでこんなに元気なんだろうと不思議に思うと同時に、元気になってもいいんだなと思うようになりました。

それ以来、「こころの元気+」に投稿したり、家族会で発表する機会をいただいたりしました。
また、メンタルヘルス関連の催し物があるときは、自ら東京に足を運ぶようにもなりました。

 


病気とうまくつきあう
埼玉県
市川左千子さん


今は、改善というよりは、なんとかうまく病気とつきあっている状態です。
なぜなら、私は治ると思っていないのです。

躁うつ病(双極症)なのですが、最悪でも寝込みたくないから、気が高いときにセーブして生活することを覚えるために学習中です。

また、友人に同じ病気の人がいることも助けになっています。
高いときの注意や、落ちたときの救いになってくれるからです。
彼氏もピアで、お互いの体調を考えながらつきあっています。
この点は、病気を理解しあえて、気持ちをがまんして悪化する心配がなくてよかったと思います。

 


主治医のひと言が
大阪府
秋桜さん


私は、ある時期になると情緒不安定になります。
その時期を考えると、どうも衣替えの時期のようです。

そういえば、私は季節の変わり目に衣類を整理するのが苦手です。
春や秋は、せっかくしまった服をまた出して着ないといけません。

2年くらい前、そのせいで調子を崩してしまい主治医に相談しました。
すると先生は笑いながら、「僕は押し入れの中からひっぱり出して着るよ」ってっしゃいました。

「そうか、別にタンスの中の服を着なくてもいいのか」
先生の一言で吹っ切れた気がしました。
そのときから私は悩まないで過ごせるようになりました。


病状改善の3つのコツ
埼玉県
夢樹さん


病状が改善しないときは、人間(自分も)不信で、生きていたくありません。

改善にはいくつかありますが、医師との関係でいえば、
①先生のアバイス、②薬、③大きな気がかりがとけること、です。

①は、「考えるより感じることを大切に。考えるから病気が治らない」等です。
②は、うつの薬や、今8種類のんでいる薬を2種類に減らせる見通しです。
③は、統合失調症急性期、幻覚妄想でしょうけど、不思議で考えまくってしまいました。

でも今は、感じてわかる気がするのです。
S先生ありがとうございます。

 


自分を信じてあげる
東京都
ういちゃん


私は、病状が改善しない時期を、ほぼ病歴と同じ間過ごしました。
未だに病状が悪化するときは、自分の気持ちを具体的に紙に書きだし、ここはこうだったからよかったね、と自分自身のマイナスのなかから、プラスのことを1つでもいいので拾い上げてほめてあげています。

自己暗示もします。「私は大丈夫だ!」と何度も言い聞かせるのです。
幻聴が聞こえる。「大丈夫だ、死にはしない!」
妄想が始まる。「大丈夫だ、妄想だし!」

自分のことをどうにかできるのも自分しかいない、とはげましてあげるのも大事なことだと思っています。


薬とカウンセリング
埼玉県
灯路さん


私は、大人数の職場で働くことによるストレスと、生理前の体調不良がきっかけで、うつ病が悪化しました。
気分の落ち込み・判断力低下・不安・イライラなど。精神的な不調と、吐き気・頭痛などの体調不良が、7年前から続いています。

うつ病になったばかりの頃は、薬とカウンセリング治療に加えて、生理前は、負担になる仕事をしないようにしました。

他には、豆類を多めにとるほか、カフェインを含むコーヒーを減らし、食事にも配慮しましたが、仕事をつづけていたので回復しませんでした。
そこで、思い切って休職したところ、最近になり改善してきました。


服薬とリハビリ
東京都
澤田優美子さん


私の発病は、多分15歳のときだと思います。
21歳のときから精神科にかかりましたが、極度の「うつ」や体調不良が続きました。
31歳のとき、勝手に通院をやめてしまったら、被害妄想、宗教妄想、あらゆる幻覚、現実感喪失が起こり、怖い夢を見ているような状態(夢幻状態)に陥って、緊急入院になりました。

入院して服薬したら、はげしい症状がなくなりました。
リハビリを始めると、元気になりましたが、疲れからたまに軽い「うつ」や幻視が出ました。
今は新薬が効いているのか、易疲労(疲れやすいこと)と過眠だけです。
易疲労と過眠に効く薬の開発を願っています。


こころの元気+2011年11月号特集より