利用者たちが望む精神科医療の未来像(本人)


こころの元気+ 2014年1月号特集より


特集3
利用者たちが望む精神科医療の未来像


代替療法と当事者スタッフ
(佐賀県)渡辺文子さん


精神科病院から鍵をなくしてほしいと思います。施錠される度に、社会からの隔離と人間の尊厳をひどく傷つけられるからです。

本当に保護室は必要なのか、もっと医療者は考えてほしいです。スタッフの人数が少ないからと、薬物と鍵で拘束するのはあまりにもひどすぎます。もっと他の代替療法はあるはずです。たとえば、アロマ、音楽、色彩などと、必要最低限の薬で代えられないか考えてほしいです。

慢性期はもちろん、薬は単剤で、他のサポートを受けて、東洋的なヨガ、呼吸法、針灸など、今まで科学的考えで進んできた医療に、人間の心身に直接的に働きかける方法をもっと取り入れてほしいと思います。

また、医療スタッフに当事者スタッフを必ず入れてほしいです。
常に患者の視点で治療に携わることで、当事者重視の治療計画になると思います。当事者スタッフが患者さんに寄り添い、安心して治療に専念できるようにするなど、リカバリーした当事者の力を利用してほしいです。


他の科よりも人を多く
(茨城県)試行錯誤の毎日さん


精神科のみに適用されている、一人の医師や看護職員が受け持てる患者数が多い体制を改善して、治療や看護が今以上に手厚く、きめ細かな点にまで配慮が行き届くようになることを期待します。

精神科病院、特に、病棟スタッフの忙しさやたいへんさは、患者から見ても目に余るものがあります。
ストレスを避け、休養すべき入院患者にとって、心ここにあらずのスタッフと接する入院治療では、治療効果も半減します。
本当は精神科こそ、他科よりも医師数、看護職員数を多く配置してもらいたい、配置すべきではと思うのです。

最低でも、他科と同じ配置になれば、入院生活で得るメリットも増えるのではと思います。
将来、入院せざるを得なくなったとき、少しでも雰囲気のよい環境内で治療が受けられるようになっていてほしいものです。

 


安心の夜を
(栃木県)milkteaさん


精神疾患歴10年の女性です。
病院のナイトケアの普及を望みます。

一日の中で、夜が最も苦手です。夜は、体が疲れていても頭が冴えて眠れなかったり、悩みがふくらんだり、翌朝が怖くなったり、心が不安定になる要素がたくさんあります。
孤独や死にたさを感じても、日中と違って家族や友人に助けを求めづらく、デイケアや当事者会のように集う場所もありません。自傷行為や過剰服薬、アルコール摂取をしたくなります。
そこで、精神疾患をもつ人が低価格で夜を越せる宿泊できる施設を夢見ています。
緊急性の少ない救急車の出動も減らせると思います。
人の気配のあるところで、お風呂に入ったり、夕御飯をとったりして早めに就寝します。そこには、同じように集う仲間と、医療面の相談ができるスタッフがいます。起きたら朝食が出て、そこから職場に行けたら、より一層ありがたいです。

現在、都心部を中心にあるそうですが、今後、地方にも広がり、皆に利用しやすくなればいいなと思います。