皆さん役所へ来てください(専門職)


こころの元気+ 2014年6月号特集より


特集8
皆さん役所へ来てください

鈴木将人(千葉県)
我孫子市役所障害福祉支援課社会福祉士・精神保健福祉士


4月は、ぜひ協力をお願いします

私は市役所の職員です。
市役所での手続きがたいへんだったり、制度がすぐに変わるのでわからなくなるという声をよくうかがいます。
市役所の職員としてもこれは悩みどころなのです。というのも、たいてい制度が変わるのは4月。
職員も人事異動で新しいメンバーになって仕事の引き継ぎもありますし、年度ごとの申請を受けつける件数が多い時期と重なっていたりします。
もちろん、事前に混乱しないよう勉強もしていますし、準備を充分にしておくよう心がけています。
それでも市民の皆さまに迷惑がかからないよう、手続きにあたっては間違いのないよう確認をとっていますので、時間がかかってお待たせしてしまうことも多いのです。
言い訳になってしまいますが、職員も人間。 確認しながら手続きしますので、特に年度替わりは、「できてあたりまえ」ではなく、一緒に確認しながら手続きを進めていただけるよう、ご協力をお願いいたします。

一緒に考えられたら

福祉の専門職として市役所に勤務していても、障害福祉サービスの制度は特に複雑だと感じています。
わかりやすい情報の提供には努めていますが、それでも個人でサービスを有効に組み立てるのは、とてもむずかしいことだと思います。
生活をおくるうえで困ったことがあれば、どんな些細なことでもご相談ください。
市役所ですべてが解決できるわけではありませんが、どうすればよりよい環境が整えられるのか、一緒に考えることはできます。
職員が持つ社会資源を活用し、よりよい支援を受けるために適切な機関につなげられるよう、敷居を低くしてお待ちしております。

みんなでネットワークをつくって

ひとりの人を支えるためには、いくつもの支える点が必要です。
要支援者を水風船にたとえてみましょう。
一本の棒で支えようとすればバランスが悪くすぐに落ちてしまうし、もしかしたら圧力がかかって割れてしまうかもしれません。支える側も重くて疲れてしまいます。
もし家族の方がおひとりで(もしくは家族だけで)支えているのだとしたら、その支える点を増やすために市役所にご相談ください。
支える点が一つ増えます。 そこから相談支援員や医療機関、ヘルパーさんや民生委員さんなど関わる人、つまり支える点が増えていけば、バランスは安定し、重さも圧力も分散します。
それぞれの点が「連携」というきずなで結ばれれば、ネットが張られ面となります。そのネットが、活発に機能(ワーク)すると、要支援者は「ネットワーク」に支えられ、安心して過ごすことができるようになるのです。

立ち寄ってください

今は相談事業所も増えています。市役所以外にも相談をしやすい場所があります。 大切なのは、誰かが誰かを支えるのに「ひとりでかかえこまないこと」なのです。
相談の場所がなかなか見つけられなければ、何かの手続きで市役所にお寄りの際に、ぜひ障害福祉の窓口へお立ち寄りください。
困っていることについて、一緒に考える職員がお待ちしております。